今回の記事では、広告効果測定ツールを導入することでどのようなメリットが得られるのか、ツール選びのポイントやおすすめの広告効果測定ツールもあわせて紹介します。
Webサイトやアプリケーションなどに表示されるさまざまな広告は、新たなユーザーを獲得するために有効なマーケティングツールです。
しかし、Webサイトやアプリケーションといった媒体によってもユーザーの属性は異なり、若い世代のユーザーが中心のところもあればシニア層が中心の媒体もあるでしょう。
広告を出稿する際には、どのようなユーザーが多いのかを分析することが重要であり、それが広告効果にも直結します。
広告の費用対効果を高めるためにぜひ活用していただきたいのが広告効果測定ツールです。
広告効果測定ツールを導入するメリット
Webサイトやスマホ向けのアプリケーションまで、さまざまな分野で活用されている広告効果測定ツールですが、なぜこれほどまでに多くの場面で採用されているのでしょうか。
広告効果測定ツールを導入する主なメリットとして2つのポイントを解説します。
精度の高い効果測定が可能
広告効果を判断するためのひとつの指標として、コンバージョン率があります。
コンバージョンとは日本語で変換・転換といった意味を指す言葉ですが、マーケティングの世界では広告によって得られた成果を意味します。
広告を出稿する大きな目的としては、製品やサービスの購入者および利用者を増やすことが挙げられますが、そのためにはまず広告を見てもらう必要があります。
そこで、Webサイトやアプリケーション上に表示された広告コンテンツのリンク先へ訪問してもらうことが第一のステップとなるでしょう。
コンバージョンとして何を指定するかはさまざまですが、まずはそれぞれの媒体から広告へのアクセス数を基準とするケースが多いようです。
また、単にコンバージョン率を測定するだけでなく、広告にアクセスしたユーザーの年代や性別、居住地なども分析できれば精度の高い効果測定が可能となるでしょう。
製品やサービスによってもターゲットとなるユーザーの属性は異なります。
広告効果測定ツールをうまく活用することで、ターゲットに合わせた最適なマーケティングを実現できるはずです。
広告の一元管理ができる
広告を出稿する場合、必ずしも単一の媒体とは限りません。
より広告効果を高めるために、複数の媒体に出稿するケースも多いでしょう。
しかし、そのような場合、媒体ごとに広告のコンバージョン率やアクセス数を管理することは容易ではありません。
そこで、広告効果測定ツールを用いることで、複数の媒体であっても人手をかけることなく短時間で管理が可能となります。
複数の商材を扱う企業では、Webサイトやアプリケーションの特性に応じて、ターゲットとなるユーザー属性を見極めて広告を運用します。
そのような場合でも、広告効果測定ツールを用いることで広告の一元的な管理が可能です。
広告効果測定ツールを選ぶポイント
広告効果測定ツールにはさまざまなものがあり、どれを利用すれば良いか迷う方も多いでしょう。
何を基準に選ぶかは運用者によっても異なりますが、特に代表的なポイントを3つ紹介します。
広告担当者が扱いやすい
広告効果測定ツールの多くは、コンバージョン率やユーザー属性、広告のカテゴリ別にデータを確認できます。
しかし、表示する項目は同じであっても、画面のレイアウトやユーザーインターフェースなどの違いによって使いやすさは大きく異なるもの。
そのため、広告担当者にとって操作しやすく、画面も見やすいツールを選ぶことが重要です。
広告効果測定ツールのなかには、サンプル画面が確認できるものや体験版が利用できるもの、トライアル期間が設けられているものもあります。
実際に使ってみないと操作感が把握できないものもあるため、複数のツールを比較しながら使いやすいものを選ぶようにしましょう。
また、これまで広告効果測定ツールを利用したことがない広告担当者にとって、ツールの扱いやすさは業務効率や生産性に大きく影響を与えます。
初めて操作する担当者でも、直感的に使いこなせるツールを選ぶことが重要です。
導入コストが成果に見合っている
広告効果測定ツールのなかには、無料で利用できるものから大規模なビジネス向けの料金プランまでさまざまなものがあります。
広告の出稿先や種類が限られている場合には無料プランでも対応できることもありますが、広告の数が増えると有料プランでなければ管理が難しくなる場合もあるでしょう。
有料の広告効果測定ツールを選ぶ際には、導入コストや運用コストが成果に見合うものかどうかを確認することが重要です。
ビジネスの規模にマッチしたプランであるかどうかも重要ですが、ツールを導入することによってどの程度の作業工数が削減できるかもシミュレーションしておく必要があるでしょう。
サポート体制が充実している
初めて広告効果測定ツールを導入する際には、設定方法や使い方が分からず苦戦する担当者も少なくありません。
- 「◯◯という属性のユーザーのみを対象に調べたい」
- 「PCとスマホのアクセス数をそれぞれ分析したい」
導入後にこのような要望が上がることもあるかもしれません。
そのような場合でも、サポート体制が万全で即座に対応できる広告効果測定ツールを選ぶことが重要です。
ツールの基本的な操作方法はもちろんですが、データの見方や活用方法などの勉強会・セミナーを実施している事業者もあるため、それらもひとつの検討材料にすると良いでしょう。
また、現在、多くの広告効果測定ツールはクラウド上で提供されています。
万が一、何らかの理由によってサーバーが停止した場合、広告運用に関する業務がストップしてしまいます。
これを防ぐためにも、迅速な障害対応が可能で信頼性の高い事業者を選ぶことも忘れてはならないポイントです。
おすすめの広告効果測定ツール5選比較表
さまざまな種類の広告効果測定ツールがあるなかで、選定ポイントを理解しているつもりでも1つのツールに絞り込もうとすると迷ってしまうものです。
そこで今回は、初めてツールを運用する広告担当者でも簡単に操作でき、信頼性も高い広告効果測定ツールを厳選してご紹介します。
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特徴 | プラン:料金 | |
---|---|---|
メタップス アナリティクス | 直感的に把握できるサマリーやダッシュボード |
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AppsFlyer | 世界的に見ても高いシェアを誇り、導入社数はのべ1万2,000社 |
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adjust | アナリティクス機能やアドフラウド防止機能、マーケティングオートメーションといった機能が充実 |
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WebAntenna | 導入実績は日本国内の企業を中心に600社以上 |
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アドエビス | 初期費用無料、導入支援プログラムや電話サポートも無料 |
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メタップス アナリティクス
メタップス アナリティクスは、アプリケーションの広告運用に特化したツールです。
アプリケーション上でユーザーがとる行動をデータとして蓄積できるほか、どの媒体の広告からアプリケーションをダウンロードしたのかを把握することも可能。
ユーザーの属性ごとにアプリケーション上での行動が細かく把握できれば、今後のアプリケーション開発や改善に役立てることもできるでしょう。
また、アプリケーション内でユーザーがとる行動はリアルタイムで把握でき、個別にプログラムを開発する必要もありません。
技術的なスキルがない担当者でも簡単に操作ができ、ツールの画面上に表示されるサマリーやダッシュボードは直感的な見やすさも追求。
日本国内はもちろん、海外の企業も含めると200以上の導入実績を誇ります。
なお、メタップス アナリティクスは以下の4プランが存在し、用途に合わせて選択できます。
- スタータープラン
- 流入計測プラン
- アプリ内改善プラン
- スタンダードプラン
AppsFlyer
AppsFlyerはWebサイトからアプリケーションまでさまざまな媒体の広告効果を測定できるツールです。
世界的に見ても高いシェアを誇り、導入社数はのべ1万2,000社にもおよびます。
他社の広告効果測定ツールと比較しても、ショッピング・旅行・ゲームといった分野におけるシェアは圧倒的No.1であるほか、世界の主要国・地域においても半数以上のシェアを記録しています。
AppsFlyerがこれほどまでに高い支持を得ている理由にはさまざまなものがありますが、なかでも不正防止やセキュリティ対策の極めて高い信頼性が挙げられるでしょう。
セキュリティ対策の基準はさまざまですが、AppsFlyerの場合はもっとも要件の厳しい国際標準とポリシーに基づいており、日本のみならず世界各国で安心して導入できます。
もちろん、広告効果測定ツールとしての使いやすさも一切の妥協がなく、国や地域を問わず選ばれているのは洗練されたユーザーインターフェースや画面のレイアウト、直感的な操作性が評価された結果ともいえるでしょう。
Adjust
Adjustも世界的に有名な広告効果測定ツールのひとつで、国内外で5万社以上から選ばれています。
主にアプリケーション上での広告効果を測定するのに役立ち、用途に応じての3つの料金プランから選択可能です。
アプリケーション上でのユーザーの行動をリアルタイムで把握・分析できるほか、スマートフォンやタブレット端末のユーザーを対象としたモバイルマーケティングを適切に管理できるアナリティクス機能やアドフラウド防止機能、マーケティングオートメーションといった機能が充実しています。
なお、Adjustはデモ環境を無料で利用できるため、実際に広告担当者が触れて使いやすさを実感したうえで導入を決められます。
WebAntenna
WebAntennaは日本で創業したbeBit社が提供している広告効果測定ツールです。
海外企業が提供するツールは信頼性が高いメリットもありますが、その一方で導入時の担当者との相談が不安であったり、運用後もサポートに不安を抱く方が少なくありません。
日本に拠点を構えるWebAntennaは、導入時および運用時も手厚いサポートが可能であり、これまで広告効果測定ツールを運用したことがない担当者であっても安心して利用できます。
これまでの導入実績は日本国内の企業を中心に600社以上を数え、大手企業から中小ベンチャー企業までその規模もさまざま。
業種を問わず幅広い企業が利用しており、広告運用の報告業務にかかっていた時間がこれまでの3分の1に短縮できた事例もあります。
WebAntennaの料金プランは初期費用が無料で、月額料金は2万円から。
クリック数に応じた従量制となっており、広告の運用規模に応じた分かりやすい料金体系といえるでしょう。
アドエビス
アドエビスは、主にWebサイトの広告効果測定に役立つツールです。
コンバージョンを分析し流入経路を計測できるほか、それらの膨大なデータを分かりやすくダッシュボードにまとめてレポート資料を自動的に作成。
コンバージョンのユーザー特性を正しく理解することで、今後とるべき広告戦略の精度が高まり、さらに費用対効果をアップさせられるでしょう。
アドエビスの料金プランはコンバージョンの規模によっても異なりますが、主に月間5万クリックまでは「ライト」、40万クリックまでは「スタンダード」、それ以上の規模になると個別見積りとなります。
なお、いずれのプランにおいても初期費用は無料で、導入支援プログラムや電話サポートも無料で受けられます。
また、導入前に使い心地や操作方法をシミュレーションできるデモ画面の申し込みも随時受付中です。
PDCAサイクルを回して広告施策を改善させる
今回紹介してきたように広告効果測定ツールにはさまざまなものが存在し、運用している広告の種類やコンバージョンの数、規模によっても最適な料金プランも変化します。
前提として覚えておかなければならないのは、どのツールを選んだとしても、ツールを導入しただけで必ずしも効果が得られるとは限らないことです。
広告効果測定ツールはあくまでも分析に役立てるものであり、適切な分析ができていないと適切な広告戦略が打ち出せず、それ以上の効果が見込めなくなってしまいます。
PDCAを回しながらさまざまな戦略や方法を検討し、実践していくことが何よりも重要といえるでしょう。
その際、闇雲に戦略や施策を打ち出すのではなく、広告効果測定ツールで得られた結果をもとに検討することで効率化が見込めるようになります。