- VR/ARとは
- VR/ARエンジニアの役割と年収
- VR/ARエンジニアになるための必須スキル
未来を支える新たなテクノロジーとしてIT業界ではARやVRが注目を集めています。
しかし、新たな領域ということもあり、AR/VRに関する高いスキルをもったエンジニアは少なく、優秀なエンジニアは市場価値が高いのは言うまでもありません。
しかし、そもそもARやVRの世界でエンジニア職があったことを知らなかったという人も多いのではないでしょうか。また、AR/VRエンジニアが具体的にどのような仕事をし、実際にエンジニアとして働くにはどのようなスキルが求められるのかも分からない人は多いはずです。
そこで今回の記事では、AR/VRエンジニアとして転職を検討している方向けに、覚えておきたい基本的な内容や将来性、期待される年収などもあわせて解説していきます。
そもそもAR/VRとは?
AR/VRエンジニアを知る前に、まずはそもそもAR/VRとは何なのかを紹介します。
ARは「拡張現実」、VRは「仮想現実」ともよばれ、どちらもコンピュータやさまざまなデバイスを活用して仮想的な世界を作り出すための技術です。
ARとVRの特徴をもう少し詳しく定義すると、以下のような違いがあります。
ARとは
AR(Augmented Reality=拡張現実)とは現実世界のなかに仮想世界を組み合わせる技術です。
たとえば自宅の庭をスマホで撮影して画面上に桜の木を表示させるなど、あたかも現実世界に存在しているかのような体験をすることが可能になります。
最近ではスマホ用ゲームアプリなどでARを活用したものが人気を集め、外を歩きながらゲームをすることができますが、まさにこれらはARを象徴するような事例といっても過言ではありません。
VRとは
VR(Virtual Reality=仮想現実)はARよりもさらに高い没入感が体験できる技術です。
現在VRの主流となっているのは、専用のヘッドマウントディスプレイを活用したもの。従来の一般的な液晶ディスプレイとは異なり、視界を完全に覆うような形状をしているため、どの方向を向いても仮想世界を体験でき、非現実的な空間を手軽に体験できます。
さらに技術が進展すればスマートグラスや3Dホログラムなどを応用したVR体験も可能になり、ヘッドマウントディスプレイよりも身軽な装備で楽しめる環境になると予想されます。
AR/VRエンジニアの役割
ARやVRの技術を構成する要素として、大きく分けてヘッドマウントディスプレイなどのハードウェアとゲームやエンタメなどのコンテンツがあります。
AR/VRエンジニアの多くはコンテンツ制作をメインとしており、CGや実写映像などを仮想的に体験できるようなコンテンツを制作します。
コンテンツ制作と聞くとデザイナーやプログラマーなどの職種をイメージする人も多いと思いますが、業務そのものの特性としては似ています。
ただし、デザイナーという側面から考えると2Dではなく3Dによるリアリティのあるコンテンツを制作しなければならず、そのためのノウハウや高いスキルも要求されます。
また、プログラマーという視点から考えた場合も、高いリアリティが要求されるためキャラクターの動きなどを細かく調整していく必要があります。そのため、デザイナーやプログラマーを経験してきたからといってARやVRの世界ですぐに即戦力として活躍できるとも限らないのです。
ちなみに、AR/VRエンジニアのなかでもコンテンツ制作だけではなくシステムの裏側を支えるバックエンドエンジニアも存在します。
バックエンドエンジニアはフロントエンドのエンジニアと異なり、より複雑で高度なプログラミングの知識やスキルが要求されます。
特にARやVRといった領域では従来のコンテンツよりも莫大な量のデータを処理しなければならず、データ処理がパンクしないように適正な方法を検討しなければなりません。
そのため、たとえば一般的なソーシャルゲームなどの開発でバックエンドエンジニアを務めた人でも、ARやVRのコンテンツ制作に関わった途端にこれまでのやり方が通用せず壁にぶつかることも多いです。
一見シンプルなAR/VRコンテンツであっても、その裏では想像もつかないほど高度な処理がされているケースがあります。これを解決するためには、実務経験を積みながら試行錯誤をしていくのがもっとも簡単な近道といえるでしょう。
AR/VRエンジニアの年収相場
AR/VRエンジニアはITエンジニアのなかでも比較的新しいジャンルの職種であるため、一概に年収相場として紹介することは難しいです。しかし、求人サイトなどで募集されている内容を見てみると、おおよそ500万円程度の案件が多い傾向がうかがえます。
AR/VRエンジニアとして募集している案件の多くはWEBなどを中心としたコンテンツ制作を手掛けている小規模の会社が多く、企業規模が大きくなれば年収も多少アップすると期待できるでしょう。
それでも500万円という年収相場はITエンジニア全体として比較した場合に高い傾向があり、求人案件としては条件に恵まれているといえるのではないでしょうか。そもそも十分なスキルが備わったAR/VRエンジニアは少なく、多少条件を緩和してでも優秀な人材を確保したいという企業の思惑もうかがえます。
多くの企業ではAR/VRコンテンツの制作に今後力を入れてくると考えられるため、目先の年収だけを比較して選ぶのではなく、どのような開発案件に携われるのかも含めて検討するのがおすすめです。
実際にAR/VR関連で幅広い業務を任せてもらえるのであれば、他社と比較して多少年収が低くても今後の将来を考えたときに有利にはたらく可能性は大きいです。
また、当然のことながら先ほど紹介したようにバックエンドエンジニアとしてのスキルや経験が豊富な場合は年収相場も上昇します。開発案件や企業規模によっても多少異なりますが、多くのケースでは600万円以上の年収が提示されると考えて良いでしょう。
フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニア、どちらの道を目指すかはその人の考え方によっても変わってくるはずです。
ゲームやアニメーションが好きで開発に関わりたいと考えている人にとっては、コンテンツに近いフロントエンドエンジニアのほうが適しているでしょう。
一方でエンジニアとして上位レイヤを目指したり、高度なスキルを身につけたりしたいと考えている人にとっては、バックエンドエンジニアのほうが適していると考えることもできます。
どちらが良い・悪いとはいえないため、それぞれの適正や目指すべき道、働き方に合った道を選ぶと良いでしょう。
AR/VRエンジニアに求められるスキル
AR/VRコンテンツの制作において必ずといって良いほど触れるのが「Unity」という開発プラットフォームです。
Unityとは3Dコンテンツの開発用プラットフォームとして登場し、ゲームやアニメーションなどのエンタメ用途はもちろん、自動車や精密機器の設計、建築設計など幅広い分野で活用されています。
AR/VRエンジニアとして活躍していくのであれば、まずはUnityの使い方をマスターしていることが大前提となるでしょう。
Unityは従来のようなプログラミング言語とは異なり、直感的なビジュアルでユーザーインターフェースを操作しながら扱うことができます。そのため、プログラミングが苦手な人であっても簡単なゲームや3Dコンテンツであれば簡単に制作できます。
ただし、本格的にAR/VRエンジニアとして活躍していくのであれば、Unityを構成しているプログラミング言語を理解しコーディングができるレベルのスキルを身につけておいたほうが良いです。
Unityは「C#」をベースに開発されたプラットフォームのため、個別のスクリプトを作成する場合はC#のプログラミングスキルが必要不可欠です。
未経験からAR/VRエンジニアを目指す方法
AR/VRエンジニアは新しい領域の職種のため、専用のカリキュラムを提供しているスクールもまだまだ少ないです。
そもそもAR/VRエンジニアにとって不可欠なUnityやC#のスキルは独学でもある程度は学べるため、書籍やインターネットなどの情報をもとに勉強しておきましょう。
AR/VRエンジニアにとってUnityやC#を使った業務経験は有利にはたらきますが、未経験であっても挑戦できる企業は多いです。
社内研修が充実している企業から候補を絞ってエントリーしてみるのも有効な方法といえるでしょう。また、AR/VRエンジニアという条件を絞り込まなくても、UnityやC#のスキルが歓迎される求人案件は多いです。
まずはプログラマーとしてUnityやC#の環境で開発できる案件を探してみて、そこからスキルアップやキャリアチェンジとしてAR/VRエンジニアに改めて挑戦してみるのもおすすめです。
AR/VRエンジニアの将来性
5Gが普及する2020年以降、ARやVRコンテンツは多くの企業が参入してくると予想されており、それにともなってAR/VRエンジニアの需要も急速に高まっていくはずです。
将来性という面では他のITエンジニアを含めて非常に高く、年収アップも期待できる職種といえるでしょう。
大手企業のほうが年収は高い傾向にありますが、条件がよくなればなるほど実務経験や高いスキルが求められる傾向にあります。未経験からAR/VRエンジニアを目指すのであれば、まずは実務を積み重ねてスキルの習得ができる会社の中から候補を絞り込んでみるのがおすすめです。
AR/VRエンジニアとしてある程度の経験が身についてきたら、会社員としてはもちろん、フリーランスのエンジニアとして活躍できる道も見えてきます。
多様な働き方に対応できる武器を身につけるためにも、今からAR/VRエンジニアとして通用するスキルを身につけておくと安心といえるかもしれません。
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