コンサル必読のオススメ本【若手~シニアまで】

ビジネスコンサルはとにかく幅広い知見を求められていることは間違いなく、物知りであることはビジネスコンサルとしてやっていくことの必須条件になっているともいえます。

また地位の高いコンサルタントは人から聞いた請け売りの話でもまるで自分のことのように取り込んで話すことができ、同じ業界にいても驚かされる人物が多く存在することもまた確かです。

若手コンサルタントが読むべきオススメ書籍5冊

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こうした業界で生き延びていくためには様々な本を読むことが必要になりますが、比較的若いコンサルタントの人たちに今更ながら読んでほしいと思うものを5つほどピックアップしてみました。

既にそんなものは読み終えているという方はさすがですし、これまで読む機会がなかったという方は時間のあるときにあらためて読んでみてはいかがでしょうか?

 

人を動かす Dカーネギー


人を動かす 文庫版

若者が学生時代に進めれれる良書のひとつがこのカーネギーの人を動かすです。

ビジネスコンサルの場合、知見と戦略をうまくまとめることができたとしてもやはりそれをどのように効率的、かつ効果的に人(とりわけクライアント)に伝えるかが基本になってきます。

つまりかなりレベルの高いコミュニケーションビジネスを行っているともいえるわけです。

その意味で人をどうやって動かすのかということはある意味永遠の問題とも言え、その指針となる本としてこの人を動かすは非常にためになる1冊といえます。

若いころに斜め読みした経験をお持ちの方は時を経て今一度読み返してみると得るべき情報が多いのではないでしょうか?

近年では文庫本も電子書籍も用意されていますので、お金をかけずにあらためてこのカーネギーの著書に接することができます。

 

考える技術 書く技術


考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

これも戦略系のコンサルファームに入社した人間なら新人時代か入社するまでの間に必ず1回は読んでいる良書であると思います。

もともとマッキンゼーなどでライティングのコースを教えてきたバーバラ・ミントがまとめた本だけに非常に判りやすい内容になっています。

既に一度読んで知っていると思っている貴方も、フリーランスのコンサルとして独立してやっていくことを考えたら、もう一度読み返してみるとかなり役に立ちます。

特に独立コンサルタントは自分がすべてということになりますので、文章の取りまとめ方も伝え方もすべては自己責任となります。

このタイミングに再度ブラッシュアップを考えてみるために読んでみるのがお勧めです。

 

外資系金融のExcel作成術: 表の見せ方&財務モデルの組み方


外資系金融のExcel作成術: 表の見せ方&財務モデルの組み方

「AIの実装と積極利用がはじまろうとしているときにいまさらエクセルか?」

と思われる方も多いかもしれませんが、人材派遣でやってくるおねえさんが持っているエクセルの作表技術などとは比べ物にならない高度でプロアクティブなエクセル利用を可能にするのが、この外資系金融のExcel作成術: 表の見せ方&財務モデルの組み方という本の内容です。

世界的金融機関、モルガン・スタンレーのExcelテンプレートを作成し、ニューヨーク本社のチームから「エクセルニンジャ」と呼ばれた著者が、世界で通用するExcelシートの作り方と、プロフェッショナルの分析手法を解説したのがこの本です。

本邦系企業ではこんなことやらないでしょうというような内容も網羅していますので、一人が基本のフリーランスコンサルならその手法ぐらいは習得しておいて損のない内容といえます。

 

イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき


イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)

2001年に登場し、戦略系コンサルタントの間ではかなり話題になったのがこの本です。

市場を一新するほどの革新技術が、市場と企業の序列をどのように変えていくかを分析したのが本書で、こうした革新技術、つまり「破壊的イノベーション」によって既存の優良企業はそれまでの成功体験が足かせとなって追いつめられていくことを指摘しています。

この本が登場した当初はそういうこともありうるのだという警鐘を鳴らした内容でしたが、16年を経過した今、この視点で市場を見回して見ますと、本邦系企業では大規模なエクセレントカンパニーのようなところがいきなり淘汰に直面する事態に追い込まれていることに気付かされます。

恐らくこの先IoTなどのこれまでになかったアプローチが同様の問題を引き起こすことになると思われ、今あらためて読んでおくことがためになりそうです。

 

小倉昌男 経営学


小倉昌男 経営学

経営学を語る本のなかで圧倒的に異彩を放っているのがクロネコヤマトのビジネスを軌道にのせた小倉正男氏の経営学です。

「儲からない」といわれた個人宅配の市場を切り開き、「宅急便」によって人々の生活の常識を変えたヤマト運輸の元社長である小倉が書き下ろした、経営のケーススタディーであるだけに非常にリアリティがありプラクティカルな内容の書籍となっています。

そして今、この宅配のボリュームが増えすぎてこれまでにない損益分岐点が表面化して新たな問題が起きようとしています。

国内でもアマゾンがプライムなる即日配送のサービスを提供しはじめたことからそれを一手に引き受けたアマゾンは全体の取引業のたった3%にすぎないアマゾンの配送でてんてこ舞いとなり、これまでのコスト効率を大幅に上回る損失を被ることになってしまっています。

実はこの経営学の話しは延々と今も続くネバーエンディングストーリーであることを改めて実感させられます。

米国でもアマゾンの仕事を受け持つFedexがまったく同じ非効率性に直面する状況で、宅配ビジネスの今を考える上でもかなり面白い書籍ということができます。

 

戦略的に情報を使う仕事で成功するための出版物

ここでご紹介している本は決して目新しいものではなく最新本というわけではありません。

しかしトレンドを追った本はある程度時間がたってみませんとそれが有益であったかどうかはわからない部分が多数あることもまた事実です。

たとえば過去20年間グローバリゼーションや戦略的アウトソーシングというのは米国を中心にして世界中に拡散されたコンセプトでありディールでありましたが、ひとたびトランプなる人物が登場してしまえば、まったくこれえまでと異なる保守主義が台頭するようになり、生産拠点さえ政治的な要因で米国に引き戻される状況に直面しようとしています。

効率の問題からグローバリゼーションを考えていた企業は大きなまき戻しを強いられることになっているわけですから、戦略というものも生き物であることを強く実感させられます。

こうした変化の多い時代に生き残るにはやはり骨太な考え方と柔軟な変更姿勢というものが重視されることになりそうです。

そういう意味でもここでご紹介している書籍はブレないコアなコンテンツをもっているといえるのではないでしょうか。

 

 

シニアなコンサルタントにおすすめ書籍4冊

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ここからは、シニアが読んでもためになる書籍をご紹介します。

業界経験のあるシニアなコンサルタントや組織を飛び出して独立して働こうとするフリーランスのコンサルタントは、もはやコンサルティング手法や業務へのアプローチ法などの書籍を今更読む必要はないと思います。

ただし、日進月歩で新しいものが登場する世界については一応概要だけでも知っておく必要があるものです。

今回ご紹介する書籍はそうした新たな技術やソリューションといったものにフォーカスをしたものが多くなっています。

 

1.データサイエンティストが創る未来、これからの医療・農業・産業・経営・マーケティング


データサイエンティストが創る未来 これからの医療・農業・産業・経営・マーケティング

ビッグデータの利用が騒がれ始めてからそれなりの時間が経過しようとしていますが、ここへ来てIoTやAIのディープラーニングが現実のビジネスに利用されようとしています。

データを扱って将来を予測するデータサイエンティストのビジネスというものが非常にクローズアップされるようになりつつあります。

この領域はあらゆる業界のクライアントも一様に興味をもっているものですから、ビッグデータの基本を押さえるという意味でも知っておいて間違いのない領域といえます。

市場はさらに変化を遂げていることからこの本以外にも補完的に情報を蓄積していく必要がありそうですが、まずはビックデータのテクノロジーを理解するにはちょうどいい内容の書籍ということがいえそうです。

 

2.ビジネスモデルナビゲーター


ビジネスモデル・ナビゲーター

この本も昨年出版されたばかりの比較的新しい書籍となりますが、成功企業のビジネスモデルは55種類のモデルパターンのいずれかに分類されるとした大胆なビジネスモデル分析本です。

ビジネスモデルのイノベーションにおいては、

  1. 顧客軸(Who):自社の対象顧客は誰か?
  2. 提供価値軸(What):自社が顧客にもたらす価値は何か?
  3. 提供手段軸(How):自社の製品やサービスをどのように提供するか?
  4. 収益モデル軸(Why):なぜ自社が儲かるのか?

といった4つの軸のうち2つの軸以上を刷新したものが必要になると分析しており、現代のニュービジネスモデルを考えるにあたっては非常に参考になるアプローチをしておりお勧めの一冊です。

ビジネスコンサルというのは既に世に出たものをうまく取りまとめてベストプラクティスを導きだすのは得意です。

しかし、まったく新しいビジネスモデルを考案するというプロセスには総じてなれていない状況ですから、こうした本で思考の柔軟性を養うのはかなりプラスになるものと思われます。

 

3.日経テクノロジー展望2017 世界を変える100の技術


日経テクノロジー展望2017 世界を変える100の技術

これは日経BP社がほぼ毎年継続して出している新技術の解説本であり、2017年以降に実用化の進む100のテクノロジーをわかりやすく解説しているところがポイントです。

中にはすでに十分知っているテクノロジーもあると思いますが、広範な業界で100ともなれば始めて目にするものもそれなりに多くなりますので、辞書的な意味合いで読んでみるのがお勧めとなります。

とくに国内の事業者でどういったところがキープレーヤーなのかを知るのには非常に適した一冊となります。

たとえばAI・人工知能の世界では気がつくと主要なプレーヤーが米系の外資しか思いつきませんが、日本でも思わぬベンチャーが参入したりしており、国内の状況を知るには特にいい一冊といえます。

 

4.ビジネスブロックチェーン ビットコイン、FinTechを生みだす技術革命


ビジネスブロックチェーン ビットコイン、FinTechを生みだす技術革命

ブロックチェーンはリアルな金融マーケットより先に証券市場でそれに関与した企業の株価が暴騰するなど異なるところから話題になることが多いものでしたが、フィンテックを含めた市場に関心は非常に高まりを見せています。

フィンテック全般は先進国の米国でも話題になったほどビジネスにはなっておらず、金融規制がレガシーなままの状態を引きずる日本ではさらに厳しい状況になっています。

しかし、仮想通貨に関しては先進国の金融政策を管轄する部門が税収を取りこぼさないようにといったまったく異なる理由からその導入に大きな関心を寄せるようになっており、ブロックチェーンは現実的なソリューションとして注目されはじめています。

また仮想通貨の利用はネット通販などの事業者にも大きな影響を与えることになるため、このタイミングでブロックチェーンやビットコインについて知識を深めておくのは何かと役立つものになりそうです。

そうした意味でも本書はまずこの領域のエントリー本として役にたつものとなりそうです。

 

業界、仕事関係なく知っておくべき流行と問題

以上、4冊をご紹介しました。

経営者、企業家、ビジネスコンサルとどのレイヤーの人にとっても大変重要な内容となりますので、一度は目を通してその概要を第三者に語れるぐらいの知見は確保しておきたいところです。

 

以下の記事では、コンサルタントに必須なプレゼンテーションスキルの極意を元外資戦略コンサルによる解説でお伝えします。ぜひご参照下さい。

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