ケース面接と言う言葉はよく耳にすると思いますが、もともとはグーグルの入社試験として用いられたことから非常に注目されるものになったといえます。

面接官とのディスカッションの中で簡単には答えが出せないような内容を話していくもので、コンサルに限らず日本人全般にとってはケース面接なるものは実に不慣れなものとなっているのが実情です。

しかし、なぜかコンサル経験者にこうしたケース面接が仕掛けられることが多いのもまた事実です。

 

コンサルタント経験者(外資・日系)に対する2つのケースインタビュー

もともと経験者の面接であれば自分のことがしっかり語れれば、十分自信をもって臨むことができると思っている矢先にこのようなケース面接にぶち当たるとさすがに驚くことになりますし、そもそもどう答えるかの訓練ができていないだけに結構難しい面接になってしまうのは事実です。

一般的にはシニアの転職面接にはケース面接はほとんど登場しませんが、30代ではやはり注意が必要です。

今回はこのケース面接についてお話しします。

 

ケース面接は2つの方向性

最近では明確にケース面接だと最初からわかるようなものはなかなか用意されていなくなっているとも言われますが、コンサルを含めてケース面接が行われる場合、概ね2つの方向性をもったものが実施されているようです。

ひとつは世に言う思考実験型と呼ばれるもので、もうひとつはビジネスケース型です。

 

思考実験型

思考実験型の場合は、面接官自身も答えを予め理解しておらず、一般的な答えもないようなものについて論理展開だけえで答えを割り出していきます。

いわゆるスクラッチの状態からいかにロジックを積み上げて回答を導くかを見られることになります。

ロジック自身があっているか間違っているかという点が評価されるのではなく、いかに最後まで一定のロジックを積み上げて解を出していくかということが重要です。

これは正直なところ面接官にもそれなりのクオリティが必要とされますから、それなりの面接官を配備できない企業では簡単には実施できないケース面接ということができます。

逆にコンサルティングファームへの転職には登場する可能性が高いといえます。

 

ビジネスケース型

もうひとつはビジネスケース型と呼ばれるもので、これはコンサルファームにおける転職でもよくある話ですし、コンサル出身者を雇用しようとする企業ではこちらを持ち出してくるケースも多くなります。

ビジネスケース型の場合には、面接官は答えを知っているわけですから、いかにして聞きだすかがポイントとなり、ビジネスコンサルの総合的なスキルを試されるものといっても過言ではありません。

 

ディベートではない点に注意

ケース面接では面接官があえて否定的な内容を突っ込んでくることが多くなり、一瞬「圧迫面接か?」と錯覚することもありますが、あくまでケース面接の手法として発言を否定してくるケースが多いのが特徴です。

面接官からの批判の内容に応募者のほうがムキになってディベートのような形になってしまうこともありますが、まず怯まないようにしながらも、批判の妥当性を考えて面接官との間でうまく結論を導き出していけるかを考えることが重要になります。

負かせた負かされたというディベートではないことだけはよく認識しておきませんとまったく残念な結果に終わってしまうこともあるので要注意です。

またコンサルタント経験者の採用の場合には、そもそものコンサルらしさというところを確認するためにこうした面接がとられることが多くなります。

採用側はコンサル経験者に一定のイメージをもって期待しているところがありますから、PMOばかりやっていましたでは済まない部分があることもまた事実です。

自らの業務の実態とあまりにもかけ離れた虚像を演じる必要はありませんが、戦略的なアプローチができるかどうかについては多かれ少なかれ期待されているのがコンサル経験者の採用です。

それに応えられる姿勢を示すことは結構重要で、それが決め手で採用になることもある点はよく認識する必要があります。

 

フェルミ・ケース面接の典型的な問題

20643873 - businessman hand show book of success business as concept事業会社、とくに物販に従事する企業の場合、よくあるケース面接となるのが特定の飲食店などの売上げ推定とその増加策を求めるものです。

たとえば、「銀座に出店されている回転寿司の売上げを推定し、その増加方法を考えろ」などという問題がいきなり面接に出されることになります。

 

売上げ分析がフェルミ推定

このケース面接の場合、前半の回転寿司の売上げを推定せよという部分が、いわゆるフェルミ推定と呼ばれるものです。

英語のFermi Estateから来ている言葉で日本語では意味がすぐに理解できませんが、実際には調査できないようなものの量を、いくつかの手がかりをもとに推論して短時間に概算することをいいます。

都内の電信柱の数やラーメン屋の数など見当がつかないような数字を求められることが多いのがこの推定法です。

 

売上げ増加策はケース問題

この例題では後半の売上げ増加方法を提示することがケース問題ということになります。

したがって、2つの課題を解決することが求められることになるのです。

 

現状分析や課題の掌握からアプローチするのが基本

こうしたテーマを与えられた場合、まず必要となるのはSWOT分析と同様に現状分析や課題の包括的な掌握から始まるのが基本となります。

しかし多くの面接に応える応募者は全体を掌握せずに部分最適のようなことを話し始めることが多く、、まずフェルミ推定の部分ではこれが事実からかけ離れた仮説になってしまい、情報を整理するプロセスの欠落とみなされることになるのには相当な注意が必要となります。

特にコンサル出身者の場合、この部分が欠落とみなされますと基本的な分析能力欠如とみなされますので、普通の応募者以上に注意が必要となります。

初期段階の分析部分をおろそかにして狭い領域から考えてしまいますと後半のケース問題の解決時にまた新たな問題を抱えてしまうことになるのです。

 

フェルミ推定の類推は様々に可能だが多くの回答者がここで失敗

銀座の回転寿司などといいますと、「そんな店があったか?」とまず現実から店の存在をイメージする方も多いと思いますが、実はここではこれが事実か否かはたいした問題ではなく、業界全体、あるいは業態全体から考えていくというノーマルなアプローチをとる必要があります。

銀座だから通常の回転寿司の客単価よりも高いのではとか、平日の顧客数などディテールから入り込んでいく売上げ推計は非常に正しいアプローチになりますが、評価する側から考えますとやはり包括的に市場を捉えるという網羅性があるかどうかが最大の評価点になることには相当注意が必要となります。

だいたいの面接回答者は自分のわかる範囲で妙な仮説を立てて、それだけにフォーカスした話を進めようとするのが常ですが、この面接で求められているのはもっと包括的な視点であることを常に意識する必要があります。

 

売上げ増加法ではさらに多くの回答者が思いつき回答を炸裂

前提となるフェルミ推定のフェーズに網羅性が欠如している場合、現状分析や課題掌握が現実とずれてしまい、さらにそこに単なる思いつきのような販促プランを並べて回答することで一貫性のなさ、現象的な回答感というものが醸成されてしまうことになります。

ここでも回答していることが正しいかどうかよりも全体を掌握した上で複数の目線から異なる分析をして、その結果をもとにした解決策を提示することが重要になります。

しかし、言うは易しですが、この面接は少なくとも一度は経験して、短時間にうまく応えられるかどうかを練習しておく必要があります。

また、面接官は一定の答えがでてくることをあらかじめ予見して逆質問をしてきますから、多くの人が失敗する形に自ら入りこんでしまいますと、突っ込まれやすく非常に危険な面接になりかねません。

やはり最初の部分にいかに包括的な分析を加えられるかがポイントになりそうです。

 

戦略コンサル業界への転職・就活ではテーマ面接対策必須

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世の中の事業会社では、ビジネスコンサルティングファームのコンサルタントはだれもかれも戦略コンサルタントであって、その上にそれぞれのケイパビリティを構築してSI関連の業務に従事するものもアウトソーシングに従事するものもいると思っている人が多いものです。

これは国内で大手のコンサルファームを利用するクライアントが年商なら5000億以上あるような余裕のある会社に限られていることを如実に占めていている結果ともいえます。

しかしビジネスコンサルティング会社への転職の場合は、このあたりをしっかり事前から見抜かれていることはもはや当たり前で、特にビジネスコンサルで戦略系コンサルタントに応募しようとした場合には、面接のプロセスのどこかでかならず出くわすことになるのがこのテーマ面接といえます。

最近では戦略系のビジネスが国内では多くないことから、新卒から戦略コンサルを育てずに中途入社の即戦力だけを雇用するという驚くほど割切った方針を立てている外資系のビジネスコンサルもあるぐらいですから、案件は豊富ですが、即戦力を求めているだけにその選考は当然厳しいものになることは間違いありません。

その選考において重要な役割を果たすのがこのテーマ面接なのです。

 

ケース選考の本や記事だけでは情報不足!?

ビジネスコンサルとしての経験があり、一般的な社会生活を送っている人の場合、コンサルティングファームに勤務しているといっても、テーマ面接のようなシーンに日常的に業務で経験することはごく稀であろうと思われます。

しかし新卒大学生ではなく社会人としての経歴があるビジネスコンサルであれば、この領域はしっかりクリアできる必要があることは言うまでもありません。

テーマ面接については、事前に練習する機会というものがほとんどないことから書籍に頼って内容を習得しようとする動きが多くなるものですが、それほど豊富な書籍が揃っているわけではありません。

このような内容に依存しすぎますと応募者のほとんどが同じような答えしか出すことが出来ず、採用にこぎつけられないという状況に陥ることもある点は意識しておく必要があります。

特に同業のコンサルファームへの転職の場合、採用面接を行うのは単に人事の人間ではなく現業でコンサルタントを使っているパートナークラスであることが多くなるため、ハウツー本があることもほとんどばれているのが実情でうすから、やはりオリジナリティを見せる努力をする必要があります。

 

面接官の関心をひくには企業課題への肉薄度がポイント

戦略系コンサルタントへの応募者ということになれば、それなりにコンサルの領域で活躍をしており、さらなるキャリアパスを考えている人間ばかりが集まることになりますから、テーマ面接の受け答えもそれなりにレベルの高いものになります。

こうなると答えていることは間違っていなくても、面接官の目にとまるような発言をしなくては意味がありません。

つまり正しいことだけ言っても認められないという点は意識しておく必要があります。

特にライアントの課題を徹底的に洗い出して真摯に解決しようとする姿勢やその課題の本質への肉薄度といったものが感じられることが選考に勝利するポイントになるといえます。

冷静でスマートさを誇るのがビジネスコンサルの流儀のように思われがちですが、実は案件課題に対してどれだけ熱意をもって対応しているかといったヒューマンな部分を面接官は評価していることが多いのです。

そういう意味では、テーマ面接を織り込んだ戦略コンサルの面接は決して特別なものではないともいえるのです。

応募者のひととなりというものは最終的な選択場面では意外なほど評価の材料になっていることを忘れてはなりません。

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