PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)

PMOとは管轄するプロジェクトを常にモニターし、進捗状況の確認やアウトプット品質が下がっていないか、コストの超過などを把握してマネジメント層に報告し、問題やリスクが発生した場合にソリューション(解決案)を提供します。

PMOという仕事は一定の経験を積んでいませんとなかなか勤まらない仕事です。

クライアントの業界やプロジェクトの内容によってPMOとしてこなせる人間といない人間が存在することは間違いありません。

これまでコンサルティングファームでPMOとして活躍してこられた方ならば独立したフリーランスのコンサルタントとしてもPMOの求人・案件は多いです。

案件のという意味では能力があれば十分に困らないオポチュニティが世の中には存在していると言えます。

 

フリーランスでPMOを担当する難しさ

freelance-pmo1

実際にフリーランスとしてPMOを受け持ってみますと想像以上にコンサルティングファームの中のPMOとは異なる存在だということに気付かされます。

プロジェクトの運営も想像以上に気を使いながら行うことになることはあらかじめ気をつける必要があります。

 

チームとしてサービスを提供できない

通常コンサルファームがクライアントから引き受けるプロジェクトにおけるPMOということになれば一定の経験をもったマネージャーもしくはシニアマネージャー以上がハンドリングする職種です。

部下も基本的にはPMOの言うことを聞きますし、遅れを挽回することなども比較的容易に実現できるものとなります。

しかしひとたびフリーランスになりますと、プロジェクトを完結させるという意味では利害関係は一緒ですが、同じ会社の人間というわけではありませんから、自動的にプロジェクトメンバーに無理を聞いてもらえるような存在ではない点が異なります。

JVのような形で複数のSI会社がプロジェクトを推進する際のプロマネもかなり難しいものがありますが、とりわけ自分自身だけが外部の人間という環境で行うPMOの仕事は予想以上に難しいものがあります。

これは組織における人間関係とはまた微妙にニュアンスの異なるものですが、野球のチームにいきなり外から監督が登場してもチームとしてのまとまりを醸成するのに時間がかかるのと同じようなものがあるといえます。

プロジェクトメンバーもすべてフリーランスであれば逆に気がラクな仕事になるのかもしれませんが、こうした業務委託を受ける場合にはプロジェクトメンバーがどのような構成になっているのかについては最低限確認をしてから引き受けるかどうかを決めることが重要と言えます。

 

難易度の高い案件・プロジェクト

外部からフリーランスが対応するPMOが皆うまくいかないかといえばさすがにそれはいいすぎです。

順調にマイルストーンをこなしているプロジェクトではチームの結束力は自ずと高まることになり、また一緒に仕事がしたいという印象をもつほど良好にカットオーバーを迎えることができることも当然あるものです。

しかし問題はプロジェクトがうまくいかなくなりだした時で、そうでなくてもPMOに責任がのしかかってきますから、執拗にPMOとしての能力ややり方に批難が集まることもあり、いらぬ批判の対象になるという厳しい状況も考え置かなくてはならないのです。

プロとしてやっているのだから、いろいろなことがあると言えばそれまでですが、この目に見えないような軋轢やチーム内人間関係の亀裂はプロジェトの途上では非常に過度なプレッシャーとなって押しかかることなります。

このあたりはコンサルファームに勤めていたときとは異なる感覚になることもあらかじめ認識しておく必要がありそうです。

そもそもプロジェクトの内容をブリーフィングで受ける段階で難易度はかなり見えてくることになりますから、リスクの高そうな案件は最初から注意をして安易に引き受けないという事前のフィルタリングも重要になりそうです。

経験上、案件単価の高いものほど厄介な内容であることが多い傾向にあります。

 

企業コンサルとしてのPMOの仕事・業務内容

pmo-work1PMOとして働いていきますとよくクライアント側から社員として入社して働かないかといった勧誘を受けることがあります。

実際コンサルティングファームからでもフリーランスのPMOとして働いてからでもクライアントサイドに移籍するというケースを見聞きすることは多いものです。

ただ、クライアントの中でPMOとして働くのはコンサルとして特定の案件について完結度のある働きをするのとはわけが違うケースもあり、非常に重用されることもあればそのあたりを見誤ってうまくいかない場合もあります。

今回はそんなお話をしてみたいと思います。

 

金融・生保業界のPMOはレガシーシステムを管理

社員でPMOを比較的多く抱えているのは日本企業では生保や金融系ということになります。

このような業界では、特定のレガシーサーバー上でプログラムを走らせていたり、オープンとは程遠いシステムを簡単にやめるわけにもいかず維持していることが多いです。

外部からの支援ではシステムを維持管理することができず内部のPMOが粛々と不足や問題部分をプロジェクトとして運営しているケースもあるのです。

こうした特定クライアントが抱えるシステムに精通しており、今後どれだけ新たなシステム構築があっても須らく残していかなくてはならないレガシーなものを維持していくようなPMOとして雇用された場合は、面白みのある仕事かどうかは別として大切にされることになります。

新たなシステムのマイグレーションなどについても大きな権限を与えられることになり、ひとつの生き方としては存在するものとなりそうです。

しかもこうした特別なシステムを抱えているところほどクラウドとは無縁の関係になりますから、生保などでは商品がでるたびにプロジェクトが展開されることになり、適度に忙しく働け、しかもキーマンとして振舞うことができることもあるのです。

 

新規事業は激務を覚悟する必要

常に新たな事業展開を模索しM&Aを含めて新しいシステムの立ち上げやクラウドの積極的な利用による超短期間での事業スタートアップに責任を持つPMOともなりますと、コンサルティングサイトで特定の業務委託を完結させることよりも厳しいものになります。

失敗すればすべて責任を問われることになるので、明らかにコンサルサイドで働いていたときよりも激務になってしまうといった厳しいケースも垣間見られます。

もちろんクライアントによって異なりますから一概にクライアントサイドでPMOをやることはリスクが高いとは言いません。

しかし、知見のない業界、これまで仕事をしたことがないクライアントサイドでこうした職位につくのであれば、事前にどのような状況の会社なのかをリサーチすることが重要です。

クライアントサイドというとなんとなく安定感が漂うことになりますが、それも個別企業の状況次第であることが実情で、やめておけばよかったというケースもあります。

ただ、期待と現実が乖離しているにせよ、クライアントサイドで一定期間PMOとして勤務しそれなりの実績があれば、次なるキャリアパスを考えるいい材料になることも確かです。

苦労は買ってでもしろという発想があるのであれば一時期挑戦してみるというのもひとつの考え方といえます。

こうした話しはあくまで実際に働かれる方の意識や価値観の問題にも絡むものですから、特に否定するものでもありませんが、客観的にみますとうまく言っているケースとそうでないケースが厳然と存在することだけは確かです。

どんな職種の転職でも100パーセント成功するものなど存在はしませんが、社内にPMOを設置しようとする企業の真意というものだけは確認することが大切です。

 

ITPMOの経験談と情報収集の重要性

cloud-pmo1

システムインテグレーションというと、少し前まではハードウエアの調達、システム建設からソフトのインストール、カスタマイジングまですべてクライアントが自前で行うため、業務委託を受けるSIerも完全にスクラッチからそのシステム構築を受け持つことになっていました。

近年、システム要件上にIaaSといったいわゆるクラウドを利用した案件がというものが日常的に登場するようになり、クラウドを含めたPMOの仕事をこなすことが求められるようになってきているのです。

 

SAP導入支援で起きたひどい話

たとえば、SAPでいいますと、同社は既にSaaSの形式のERPも国内で販売していますが、これまでのライセンスモデルと利用しているユーザーにとっては納得のいかない部分も多いです。

ライセンスを持っているユーザー企業はそのソフトを活かし、ハードだけを仮想化されたクラウドに移築するなどというプロジェクトを始めるところも多くなっているのです。

実際ハードをクラウドに移築すればその先のスケールアウトの問題なども解決がつきますし、自在性は表面的には高まるので非常にいい選択のようにも見えます。

一方、システム要件を十分に満たしたクラウドを確保してインプリを行い、何のバグもなく稼動しはじめて一安心といったときに大きな問題が起こったりすることもあるのです。

ERPでは一定の日時、たとえば20日締めであるとか月末処理といった特定時間帯に業務が集中することが多く、クラウド利用では一時的に急激なパフォーマンスの低下問題が起こることがあります。

実はこうしたケースではIaaSの容量ではなくネットワークの最適化のほうに問題が起きているケースもあるのですが、単にオンプレミスからクラウドに置き換えるというだけの発想では実はカバーできていない問題も生じるリスクがあるのです。

これまではシステム要件は専門家が設定した要件を満たしさえすれば、それ以上問題が起きることは滅多にありませんからPMOが果たすべき責任領域はもっぱら実装のプロジェクト管理に限定されてきました。

しかし、クラウドというインフラを利用することによって固有に発生する問題に一定以上の知見を持ち合わせていませんとプロジェクト責任者として本来の仕事が終わったあとも振り回されるという不幸な結果に遭遇してしまうこともあるのです。

 

コンサルティング・エンジニアリングのスキルを高めることが解決策

こうした問題は大手のコンサルファームであろうがSIerであろうがフリーランスであろうが等しく直面するクリティカルイシューであることは間違いありません。

大手企業の場合ならナレッジシェアリングで問題も共有化されることが多いため、短期間でも知見を高めることができる可能性があります。

しかしフリーランスはそうした部分でリカバーできる知見がありませんので、なんとかしてそれを補う必要があることは事実のようです。

たとえばフリーランスのPMOが集まれるようなフォーラムに入って情報を交換するなどの積極的で地道な努力の積み上げといったものもクラウド時代のPMOとして生き抜いていくためにはこれからはかなり必要なものであるといえそうです。

クラウドをうまく活かせるPMOというのは業界全体での大きなテーマともいえる問題ですから、フリーランスのコンサルだけの課題に限ったことではありませんが、知見を高めるために個人としていかに情報収集レベルを上げるかということも今後は大きな課題になりそうです。

ERPなどでは独立したコンサルタントの情報交換会なども開催されているケースがあるようですから、このようなネットワーク作りというものもフリーコンサルと続けていくためには重要な行動になりそうです。

[email protected]で「表では話せない◯◯の話」配信中

line@-pt2

記事が役に立ったら
フォローをお願いします。

ハイキャリアに役立つ情報をお届けします。

Twitterも随時更新しています