【IT業界から転職する】激務IT企業から異業種転換する方法を転職体験談を交え解説

この記事を読むと分かる事
  • 異業種転職の種類
  • 転職先の選び方
  • キャリアビジョンに合わせた成功例

もうこんな働き方無理…でもどうしたらいい?

もうこんな働き方無理…でもどうしたらいい?

IT業界といえば、昼夜の別なく働くハードワークな業界風土に、貪欲な売上目標、尽きることない締切りの山…。望んで選んだ仕事で、待遇や同僚に不満がなくとも、ふと「私いつまでこんな働き方するんだろう?」と疑問に思ったり将来が不安になったりすることはないでしょうか。

・IT業界から抜け出したら幸せになれる?

・経験がなくても異業種へのキャリアチェンジは可能?

・待遇や生活レベルは落とさないで済む?

就職氷河期にIT業界に総合職として就職し、その後3年で別業界へのキャリアチェンジかつ年収アップを実現した筆者が、IT業界からの異業種転職について解説します!

IT業界からの転職とは?

IT業界からの転職とは?

IT業界とひとくちにいっても、業種はシステムエンジニア(SE)からディレクターやデザイナーなどのクリエイティブ職、それからビジネス系の総合職まで様々です。

この記事では、まず一般的な異業界・異業種への転職のコツについて述べた後、実際にIT業界から飛び出した転職の成功エピソードをご紹介していきます。

別業界の同職種への転職

まず異業界・異業種への転職では、どちらかを軸足に残しながら、新たな環境でキャリアを積み上げるのがコツです。ITとは異なる業界を見てみたいという「別業界への転職」ならば、現職で経験のある職種を中心に、他の業界を探してみましょう。

たとえば、SEならば自分の興味のある業界の社内エンジニア、ビジネス職ならば営業や人事など自分のバックグラウンドの部署を他業界で探すイメージです。

利益率の高いビジネスモデルの多いIT業界は若手でも比較的待遇がよいとされているので、他業界への転職は年収がほとんど上がらないどころか、むしろ少し下がったりしてしまうことが一般的です。また歴史の浅い業界なので、他業界と比べビジネスマナーがあまり身についていないと思われたり、伝統的な企業での耐性を問われたりする可能性もあります。

そこで自分の専門性をきちんと生かしながら次の業界に飛び込むことで、年収の下がり幅を抑え、しっかりと活躍できる土台を作ることが大切です。

業界内の別職種への転職

次に、業界を軸にして別の職種へ転じるという手もあります。「ITが嫌になったから転職したいのに、また同じ業界は抵抗がある」という場合も、たとえば金融機関向けの大規模サービスを担うSIerと、コンシューマー向けのサービスを提供するアプリ開発会社では全く文化が異なります。

客先からのプレッシャーに耐えられないという人には服装や勤務形態の自由な会社、移り変わりの早いベンチャー企業にずっと勤めていくのが不安という人は中規模以上でプロダクト寿命の長い企業など、自分の転職の動機を深掘りしてみましょう。

同じ業界であれば、ITを通じて社会に貢献したいという思いを貫きながらも、関わり方を変えたいという志望動機で転職活動を進めることが出来ます。特に新卒採用で自分の希望の職種につくことが出来なかったという人は、業界を軸にすれば自分のやりたいことを2社目で叶えられる望みもあります。

転職活動をするのであれば、業界に特化しており、できるだけ多くの求人を保有する転職エージェントを選んで活用するのがポイントです。

IT業界でいえば、ITエンジニア経験者向けに特化しトップクラスの求人数とそれら企業へのヒアリングから最新情報を把握しているレバテックキャリアにまず相談してみるのもおすすめです。

IT業界からの転職とは?

待遇を諦めて経験を積む

業界も業種も変えて全く新しいことにチャレンジしたい人には、第二新卒の枠組みを利用するか、大学院や専門学校を挟んで一度キャリアをリセットする方法もあります。

前職と比べ待遇は落ちますが、数年掛けて年収を持ち直したり、また次の転職で両者の経験を組み合わせて挽回したり、肩の力を抜いて中期プランを目指しましょう。

急なキャリアチェンジをリスクに感じる人は、仕事を続けながらボランティアベースでやりたい業界で実績を積んだり、週末や夜間に勉強することで資格を取ったりして、履歴書に色をつけていく手もあります。

新卒採用はその年の景気や流行に大きく左右されますし、同級生の雰囲気にのまれ就職活動をしたけれど、本当に自分に合っているのかともやもやしていたり、実は別にやりたいことがあったりする人も多いのではないでしょうか。

一度社会人経験があるとその後のキャリアの幅も広がりますし、動きの速いIT業界だと2〜3年の実務経験でも他の業界の何倍もの経験を積めるケースも多々あります。

人生に後悔を残さないために、ある程度の経験と貯金が貯まったところで大胆に舵を切った例をご紹介します。

フリーランスとして働く

厳密にいうと転職ではないですが、そもそも会社に縛られるのが苦手と感じる人や、自分のペースで働きたい人には、フリーランスになる手もあります。

自分でひとつひとつ仕事を受注しなくてはならないシビアな世界ですが、ライフステージの変化により労働時間や場所を減らしたい人や、地方に住みたい人、それから社内の雑務に追われるよりもタスクに向き合うのが好きと言う方には向いています。

また、フリーランスというとエンジニアやデザイナーなど手に職のある仕事に限られるイメージがあると思いますが、昨今ではディレクターや総合職の方々も増えています。

フリーランス転向を成功させるには、エンジニアのキャリアや働き方を熟知し、希望する条件に合った案件をマッチしてくれるフリーランスエージェントを活用するのが近道といえます。

IT関連業界でいえば案件数・取引社数トップクラスの、レバテックフリーランスが評判が高く、転向を考える際は一度相談してみてはいかがでしょうか。

実録!IT業界からの転職例

実録!IT業界からの転職例

ここからは実際に、筆者の周囲であった実際の成功例を紹介します。それぞれIT企業で働いていた頃の悩みや、転職活動の軸、そして新しい職場で実現できたことを中心に、9つのケースをご覧ください。

【タイプ1】別業界の同職種への転職

まずはIT業界で培った専門性を活かし、全く別の業界へ転職した事例を紹介します。待遇が一時的に落ちる可能性はありますが、それ以上のやり甲斐を感じられているという事例は多くあります。

【ケース1】IT企業(Webマーケティング)→日系メーカー(Webディレクター)

新卒としてメガベンチャーに入社し、Webマーケターとして活躍したAさんですが、若さと勢いで乗り切った20代前半を経て、結婚を機にワークライフバランスを重視した働き方にシフトしようと転職活動をスタート。

5年近い職歴を活かし、事業会社におけるIT部門、特に自社アプリの開発やオンラインプロモーション担当に狙いを定めました。実務経験と転職のねらいがはっきりしているため無事に複数内定を得て、日系メーカーの中でも自分が大好きな自動車企業を選びました。

メガベンチャーでは管理職も経験していたので転職後は月収が下がりましたが、結婚を機に郊外に引っ越し家賃を抑えて支出をコントロール。業績によりボーナスが上下する自動車メーカーなので、円高に転んだ年は年収ベースでは前職に近い水準まで稼げる可能性もあります。

転職してよかったポイントは、深夜や土日まで会社で過ごすことが日常化していたIT企業と比べ、夕食時には自然と帰宅するようになり家族との時間が増えたこと。

また、スピード感の求められるIT業界に身を置いてきたので現職ではストレスなく「仕事が早い人」という評価を得ることができ、Webマーケターとしてのバリューが希少なので周囲から信頼されることがやり甲斐だそうです。

【ケース2】IT企業(営業職)→広告代理店(営業職)

IT企業に総合職として入社し、営業部で2年間勤務したBさんですが、毎月の野心的なKPIや売上目標や、頻繁に変わる商材、またIT企業ならではの度重なる組織再編に疲れを感じ、より規模が大きい企業で足腰を鍛え直したいと考えるようになりました。

せっかく転職するならと学生時代に憧れていたメディア業界を目指し、契約ベースながら大手広告代理店の内定を勝ち取ります。前職の経験を活かし、現職ではまずアプリ企業をクライアントとするチームに配属されました。

Bさんの勤める広告代理店は、中途採用の多くが契約社員として入社し、数年後に契約満了するか、狭き門の登用試験を受けるかの選択を迫られます。また同じ営業職なので、野心的な目標や、客先に合わせて仕事をしなければならないことは前職と変わりません。

他方で、日々変化のあるIT企業では手探りで行っていた細かなビジネスマナーを改めて叩き直してもらえ、何より新卒時には力及ばなかった業界に関わることができ、本当にやりたいことが出来ている充実感があるそうです。

前職で培った業界知識やアプリトレンドの話題でクライアントに気に入られなど、全く異なる業界においても前職の経験を生かすことができています。

実録!IT業界からの転職例

【タイプ2】同業界の別職種への転職

続いて、IT業界内で別職種に転身した例をご紹介します。IT業界とひと口に行ってもメーカーからSIer、ベンチャーまで幅広いので、「ITはちょっと…」と思っても切り口を変えれば働き方や感じ方が大きく異なります。

今の会社の、今の部署のどこが嫌なのかをきちんと分析した上で、業界内で別領域をせめることも一案です。

【ケース1】IT企業(アプリコンサル)→ITベンチャー(経営企画)

大手アプリ開発会社に勤め、アプリ内施策のコンサルティングやユーザー数値分析を得意としていたCさん。しかし、競争の激しい業界だけに、全社的な事業縮小と共にポストが減ってゆくことに不安を抱えていました。

社内でどんなに頑張っても出世が望めないなら、キャリアの幅を広げたいと転職を検討していた折、かつて付き合いのあった取引先からスピンアウトしたベンチャー企業の創業メンバーに誘われます。

当初は、同じような仕事をするなら現在の環境のほうがベターと考えていましたが、提示されたオファーは意外にも経営戦略を俯瞰的に考える、経営企画のポジション。アプリのコンサルティングにおいて、大量のユーザーデータをエクセルで処理し、鋭い視座や言葉で分析を繰り出す姿を評価され、より裁量の大きなポストが用意されていたのでした。

ベンチャー企業への参画は年収が下がったりマンションや車の購入に際してローンが組みにくくなったりすることがネックでしたが、転職後は名刺も管理職です。資金調達や経営管理にかかる大きな決断も任せられ、同じ業界でも視野が大きく広がりました。

数年後に見据える次なるキャリアでは、引き続きベンチャー企業の経営にかかるC職や、コンサル会社における戦略コンサルタントとしての進路も視野に入れているそうです。

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【ケース2】IT企業(SIer)→IT機器メーカー(営業)

新卒でITの専門性を身につけようと大手SIerに入社し、仕様書作成や保守管理をしていたDさん。当初は大規模なシステム開発を任される仕事にやりがいを感じていましたが、客先次第で休暇や時間を選べなかったり、徐々にブラック化したりするプロジェクトに不満を抱えるようになりました。

このまま裁量が増えてもどんどん仕事が辛くなるのが目に見え、ITの知識とコミュニケーション力を武器に電子機器メーカーの営業職に内定します。

技術的なトラブルが起きる度に、矢面に立ち客先と話さなければならなかったSIer時代と異なり、電子機器のBtoB営業ならばお盆やお正月は暦通りに休めるばかりではなく、メーカーならではの温かな雰囲気で有給もほぼ100%消化できるようになりました。

年収はほぼそのままで、出張や転勤があることが悩みの種ですが、いつ何時でもトラブルが起きたら対応にあたらなければならない頃と比べ、精神的な負担が大きく軽減されました。今の仕事は何十年も続けていきたいと考えています。

実録!IT業界からの転職例

【タイプ3】待遇を諦めて経験を積む

次に紹介するのは、20代という若さを活かし全くあたらしいフィールドへチャレンジするパターンです。年収が落ちる幅は大きいですが、やりたいことが明確な人は、また次の転職で挽回するなど中長期のプランを描きましょう。

今回の記事では、第二新卒の枠組みを利用した例と、大学院や専門学校などを挟んでキャリアを立て直したパターン、そして仕事を続けながらボランティアベースでやりたい業界の経験や人脈を培い、履歴書に色をつけていくという3つの事例を紹介します。

【ケース1】IT企業(Webディレクター)→会計コンサルファーム

まずは第二新卒のスキームを活用し、IT企業のディレクターからBig4の会計ファームへ転職した例です。IT企業ではアプリの数値やスケジュール管理を担当していたEさんですが、入社時の希望とは異なる配属先でモチベーションが上がりにくく、かつ社内の人間関係にも不安がありました。

転職を考えはじめた時は社会人暦が1年未満と短いことがネックで、「継続できない人」と社会から思われることに抵抗がありました。しかし、第二新卒ならば早いうちの転職がおすすめと聞き、思い切ってエージェントに駆け込みます。

第二新卒という枠組みでたくさんの求人を紹介してもらえたことに安心を覚えて、思い切って新卒時に最終で涙を飲んだ会社にアプライしたところ、晴れてキャリアチェンジが叶いました。

コンサル企業や営業を強みとする会社は人材流動性が高いため、第二新卒として卒業3年目未満の求職者も多く受け入れています。中途採用のように即戦力を求められるわけではないので、研修が充実していたり、現場でも上長のきちんとしたフォローを受けたりしやすいなどの利点があります。

社風が合わない、配属先がどうしても受け入れられないと言った場合に低リスクでキャリアをリセットできるのが最大の利点ですが、銀行や保険会社など、採用数が多くとも第二新卒を受け入れない業界があるので注意が必要です。

また、単純な人間関係や配属リスクはどの会社にもあることなので、転職活動をはじめる前にまずは社内の信頼のおける人などに客観的な視点から打開策を相談するのも一手です。

【ケース2】IT企業(ビジネス職)→大学院

大胆なキャリアチェンジをする場合、関連経験もない中で内定を勝ち取ることは難しいです。そこで一度会社をやめて専門学校や大学院等で学び直すケースもあります。

たとえばフラワーアレンジメントや演劇など手に職をつける場合は専門学校、あるいは海外で仕事がしたいが社内で機会に恵まれないといった場合は、まずはMBAや関連業務にかかる海外大学院に進む例などがあります。

たとえば、新卒でIT企業に入社し法務部に配属されたFさんは、数年の実務経験を経ても海外事業に携わるチャンスが巡って来ず、退職を念頭に海外で働きたいと模索しはじめました。

最初に検討したのは、オーストラリアやカナダなど特定の国で一定期間働くことができるワーキングホリデー制度。しかし、いくら日本での学歴や職務経験があってもワーキングホリデービザでは多くの人がレストラン等でのアルバイトに終始すると聞き、躊躇します。

次に検討したのが、日系企業の現地採用ポスト。オフィス経験は活かせますが、海外での実務経験がないために大企業からはオファーをもらいにくいのが実態でした。

そこで考えたのが海外大学院への進学です。大学院生として外国に滞在すれば、数年間かけて現地で人脈をつくりながら就職活動に取り組めますし、修了時に帰国する時にも海外経験があると見なされ転職活動にも優位です。

一時的に学費は社会人時代の貯金を叩く大出費でしたが、商業法の修士号を取得し、希望する業界の法務部にスムーズに採用されました。翌年には海外駐在を果たし、両親から借りた学費もあっという間に回収できたようです。

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【ケース3】IT企業(ビジネス職)→レコード会社

最後に少し変わり種ですが、毛色の全く異なる音楽業界へ転職した例です。大学時代よりバンドに勤しみ就職後も趣味として続けていたG さんは、社会人2年目の時にインディーズで出していたCDがレコード会社の目に留まります。

突如として音楽活動が軌道に乗り、バンドの一員として有給休暇を駆使して本業との両立をはかりますが、業務を中途半端に投げ出すことに耐えられず会社を辞めました。

大手IT企業に勤めていたため退職時は年収がガタ落ちしましたが、その後はレコード会社の職員として採用され、音楽を続けながらシナジーのある会社員としても安定した収入を得ています。

別の例として、IT企業に勤めながらも世界の難民問題に関心を抱き続けてきたHさんは、週末に難民支援NGOのボランティアとして活動をはじめました。

本業で培ったプロジェクトマネジメントの知見を活かして貢献するうちに信頼を得て、組織を拡大するタイミングで正社員として迎えられました。もちろん会社員時代と比べると待遇は落ちましたが、憧れの海辺の郊外に引越し、定期的に出張があるため趣味の海外旅行での出費が減りました。

国際NGOの世界においては開発学修士号や途上国での実務経験が求められるため、学部卒で民間企業での経験しかないHさん異例の採用だったそうです。

このように、仕事は楽しいけれどやりたいことが他にもあるという方は、週末を利用したボランティアや趣味ベースでの活動から自分の可能性を試したり、業界に顔を売っていくというのも戦略的です。

実録!IT業界からの転職例

【タイプ4】フリーランス・リモートワーカーになる

最後に、仕事の中身は好きだけど労働環境を改善したい方向けに、フリーランスやリモートワークを軸に転職を実現した例をご紹介します。

自分のペースで働けて割がいいと一時はブームになったフリーランスも、最近は供給過多気味。とはいえ、ライフステージの変化により決まった場所でのフルタイム勤務がむずかしい人には、引き続き人気の働き方です。

昨今ではディレクターや総合職のフリーランスも増えているので、非技術職の例をご紹介します。

【ケース1】IT企業(人事)→夫の転勤先でフルリモート勤務

新卒からIT企業の人事部に勤め、採用面接から制度設計まで経験してきたIさんは、30歳を目前に結婚し、夫の転勤で大阪に転居することになりました。

家庭を優先したいけれど、子どものいないうちは働きたいと考えます。しかし、見ず知らずの土地で仕事を探したり、一から人間関係を構築したりするのは不安だったそうです。

そこで周囲に相談すると、完全リモートOKのベンチャー企業を探すことを勧められました。

まだ規模の小さいベンチャー企業側は、フルリモートでも構わないので専門性があり、週に何度か役割を果たしてくれる人を探しており、家庭とキャリアを両立したいIさんとニーズが合致しました。

フルタイムではないので年収は落ちますが、地方都市で家族と暮らしながらキャリアを続けることを実現します。数年後にはまた家族と共に東京に引越す予定のため、その際にはまたベンチャーの人事として仕事をしたいと考えているそうです。

【ケース2】IT企業(広報)→フリーランスへ

最後にご紹介するのは、エンジニアやディレクターなどの手につく職でなくとも、フリーランスとしてキャリアを築いた事例です。20代は仕事に打ち込んだJさんですが、出産を機に婦人科系のガンが見つかり、仕事を一時的に諦めざるを得ませんでした。

出産時にフルタイムで働いていなかったため、産まれたお子さんは保育園に入れず、病気が完治してからもキャリアが閉塞してしまいます。しかし、20代に広報担当としての仕事の積み上げが評価され、徐々にフリーランスとして単発の仕事を受けるようになります。

現在では複数の企業の広報ポジションを同時並行で担うと共に、同じくフリーランスとして働く仲間と共にナレッジ共有や制度づくりなどの活動にも、活躍の幅を広げています。

自由度の高い働き方というと手に職が必要なイメージがありますが、いわゆる総合職の採用であっても人事や広報、法務といった専門性があればフリーランスとしても十分に活躍できるという成功例です。

キャリアを見据えた転職を

IT業界といえば、24時間サービスが稼働するハードワークな風土に、貪欲な数値目標…。職種に限らず、ふと労働環境を変えたいと考えたことがある人は少なくないと思います。

今回の記事では、転職のパターンを「別業界の同職種への転職」、「業界内の別職種への転職」、「待遇を諦めて経験を積む」、「フリーランスとして働く」という4形式に分けて、実際にIT業界から飛び出した9つもの成功エピソードをご紹介しました。

将来に漠然とした不安があったり、悶々とした閉塞感を感じている人は、ぜひ志望動機や業界を考える際に参考にしてみてください。