- 銀行インターンに参加すべき理由
- メガバンクでのインターンの実情
- メガバンクへの就職活動のポイント
銀行を少しでも志望するなら、インターンにったほうが有利?
本格的な就活戦線の前にはじまる、各社のインターンシップ。
あとから後悔はしたくないけれど拘束時間は長いし、何もせずに人気企業から内定を取る人もいるので参加すべきかは迷うところ。
しかしメガバンクは採用数が多く多様な大学からの応募を歓迎しているので、採用活動が本格化する前から書類選考や本番さながらの面接練習をしてくれるインターンは、志望学生にとっては実際に働くイメージを掴み、採用への一歩を踏み出す絶好のチャンスです。
おまけにその後の採用活動に少なからず影響するので、少しでも金融業界、ひいては重厚長大な日本企業に興味があるなら応募を強くお勧めします。
- 選考のポイントは?
- インターンは採用に直結するの?
- 参加してみて分かったメガバンクの印象は?
これらの疑問に、実際にメガバンクのインターンを経て採用レーンに乗った筆者が、実体験に基づきお伝えします。
本番さながらの選考するメガバンクのインターン
多くの学生にとって人生ではじめてとなる新卒の就職活動には、自分のアピールポイントを掴み、緊張をコントロールするための「場慣れ」がとても重要。
だからこそマイページの登録から書類選考、面接やグループディスカッションを経て実際のオフィスでワークに励むメガバンクのインターンは、少しでも銀行の仕事に関心のある学生にとっては見逃せない機会なのです。
まずは書類選考、次に面接、そしてその後の採用プロセスと、参加するためのコツや心掛けるべきポイントを順を追って説明します。
エントリーシート(ES)や志望動機のコツ
メガバンクの書類選考は、実にオーソドックスです。
- 「学生時代に最も注力したことは何ですか?」
- 「これまであなたが直面した問題を、どう乗り換えたか教えてください。」
- 「どうしてこのインターンに参加したいのですか。」
これら王道の設問にそれぞれ400字ほどで答えるものです。
日本のどの会社の中でも、応募数、採用数ともに群を抜いて人数の多い銀行の新卒採用では、内定者の大学や学部もバラエティ豊かです。
その為、業界分析やひねりを必要とするトリッキーな問題や、書くのも読むのも時間の要る長文問題は出題されません。
では短い設問の中で「この学生に面接で会いたい」と思わせるためには、どうしたらよいでしょう。
答えは、小手先のテクニックや業界分析よりも、どれだけ自己分析やアピールポイントの深堀りが出来ているか、そしてそれをどう的確に言葉にするかです。
この深堀りは、この先他の業界や企業を受ける際の土台になりますし、たとえば人によっては、この自己分析を経て、総合商社や広告代理店など別の業界へ志望を変えるということもあります。
端的かつ常識的な文章で、自分の思いを伝えるのがポイントです。
面接で見られているポイント
書類選考の次は、例年1回程度の集団面接とグループディスカッションが課されます。
書類選考と同様、インターンとはいえ大量の学生を選考しているメガバンクでのポイントは2点です。
基本的な設問にきちんと答えること
面接で問われることは実にオーソドックスで、1分間の自己紹介とエントリーシート(ES)に基づく設問が中心なので、これを適切な話し言葉で補足できるようにしておきましょう。
メガバンクの採用では、奇をてらって強烈な印象を残す必要は全くありません。
自分の言葉と表情で誠実さと知性を伝えればいいのです。
コミュニケーション能力をアピールすること
たとえば集団面接では、設問の説明中や隣の人が話している間にも、学生が適切なタイミングで頷いたり、時には微笑んだりする素振りを面接官は見逃しません。
グループディスカッションも、たとえば「2020年の世界で求められていることは何か?」といった問題が出て、解決策や知識量よりも同じグループの面々とうまくやれるかが重要です。
一人でとうとうと語る人や、強い個性を印象付けようとする学生より、相手の意見をきちんと聞きながら時には自分のコメントもうまく盛り込むことが求められています。
インターンでは何をする?
書類選考と面接に無事通過すると、いざインターン本番です。
インターン同期となった仲間と1週間ほど毎日オフィスに通ってワークに励むことになります。
ITベンチャーなどでは「インターン」というと実務を求められますが、メガバンクのインターンは採用活動の準備段階の位置づけなので、実際の銀行業務にあたることはありません。
会社や年度によって多少の差はありますが、主に行うことはグループワーク。
それに必要な研修を受けたり、最終日には各グループの発表を聞くのが一般的な工程です。
ここでも専門知識が求められるというよりも、見られているのは基本的な知性と社会性です。
無遅刻無欠席・身だしなみ・言葉遣いなどの社会人としての一般常識を守り、グループ内で大きな揉め事を起こさず潤滑油的に議論へ貢献することを目標にしましょう。
運営にあたる社員の方は間違いなく採用部門のキーマンなので、常に見られている意識を持つことが重要です。
また一度に何十、時には何百人と全国から集うインターン同期はその後の就職活動でよく情報交換ができる仲間なので、グループ内外で絆を深めておくのも大事です。
内定にどれほど直結するのか?
夏休みのインターンで手ごたえがあった学生には、遅からず早からず会社側からコンタクトがあります。
たとえば私はインターンから数ヶ月したある日、本社ビルに呼ばれインターン同期何名かと一緒に、社員の方に社内を案内してもらったことがありました。
同じ時期にインターンをしても呼ばれていない学生もいたので、何らかのスクリーニングを経て選出されたようです。
さらにエントリー時期が迫ると、携帯電話に直接連絡があり日程を指定されて食事の誘いを受けました。
これがいわゆる「リクルーター面談」です。
さすが超大企業のメガバンクだけあり、自分と同じ性別・大学・学部・サークルなど本当に細かいところまで共通性のある方があてがわれていて驚きました。
私はこの時期に別の企業から内定が出て、リクルーターとの本格的な交流は遠慮してしまいましたが、実際に本採用に進む方にとっては心強い相談相手になります。
しかし、インターン同期の中には「リクルーターの電話を取れず『アルバイト中です』と言ったら勤務先のカフェまで直接様子を見にきた」「他社の選考で数時間電話を取れなかったらその間に2桁の着信があった」という人もいました。
インターンでいくら優秀な成績を残しても内定が確約するわけではありませんが、きちんと参加していれば採用活動に繋がることは事実です。
メガバンクへの就職活動
ここまでがインターンにおけるコツですが、改めてメガバンクの業界分析として、企業の一覧とランキングをおさらいします。
ウインター・インターンを検討する学生も、インターンにチャレンジする学生にも役立つよう、入社後のキャリアのイメージについても述べていきます。
三菱UFJ・みずほ・三井住友・りそなの4強を攻める
日本で銀行といえば「3メガ」と呼ばれ、三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行の3行を指します。
3メガに次いで、上位にランキングしているのがりそな銀行と横浜銀行。
まずはそれぞれのサイトでインターンの概要を調査しつつ、説明会に参加して雰囲気の違いを理解することがお勧めです。
たとえば三菱UFJ銀行は「戦略財務会計」「クオンツ」とインターンがコースに分かれていたり、みずほ銀行では1DAYインターンがあったり、自分のスケジュールや志望度にあわせて計画を立てられます。
メガバンクは新卒で行くべき業界
筆者は社会人7年目を迎えますが、これまで転職でメガバンクに入社したという友人や知人の話を聞くことはありません。
メガバンクは大量採用で企業カルチャーに重きを置く業態なので、銀行間での人材の流動性が低いのです。
逆に金融業界の経験を活かしコンサルに転職するといった人は多いので、少しでも銀行に関心があるならファーストキャリアで検討するべきです。
初任給と年収相場
メガバンクに入社すると多くの場合まずは2~3年は国内支店での勤務となり、その後少しずつ、ビジネスの最前線で稼ぐ営業職か、しっかりと銀行業務を支える管理やサービス部門など、自分のキャリアのカラーが出てきます。
初任給は日本企業の平均的水準ですが、総合職で30歳になる頃には額面で1,000万円を超えることもあり、安定して高い給与を稼ぐことができる業界です。
ホワイト?ブラック?インターンした実際の感想
お金をつかさどる重厚長大なイメージがあるせいか、銀行の就職活動にはいくつもの都市伝説があります。
たとえば以下のようなものです。
- 学閥が強く東大卒以外の学生が入社すると苦労する
- 女子学生だけが集められ一般職へのコースチェンジを勧められる
- マイページのログイン回数がトップや上位の学生から面接に呼ばれる
実際にインターンや採用活動を通じ何度も銀行に通った私の目線では、どれも事実ではありませんでした。
たとえば学校歴は、いわゆる名門大学に限らず体育会系から文化系まで多様な学生が求められており、学部も経済学部や経営学部に限りません。
女性の管理職はまだ少ないですが、昨今では逆に一般職やサービス職に就く男性も多く、性差も是正されてきています。
ログイン回数は多すぎても不自然なので、アカウントが休眠さえしていなければ、進展がありそうなときに小まめにチェックするくらいで問題ないです。
銀行インターンは就活本番に活きる貴重な経験
日本経済において3行合計で何千人と新卒採用をするメガバンクの存在感はとても大きく、本気で就職活動をする学生にとっては無視できない業界です。
私は金融業会には就職しませんでしたが、銀行インターンで自分が大企業で働くイメージを描けたことや、バックグラウンドが様々な何百人という学生と横並びでワークに取り組んだ経験は、その後の就職活動において大きな糧になりました。
選考フローを自己分析や面接の実践の場として、実際のインターンを社会で働くことへのイメージづくりや横の繋がりをつくる場として、そして本番の選考フローへの足がかりとして、参加しない手はありません。
これらインターン等を経て本格的な就職活動に入っていくことになりますが、失敗できないファーストキャリアへの道に心強い味方となるのが就職エージェント。
こちらの記事では、その新卒就職エージェントについて詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。