- ネットワークスペシャリスト試験とは
- ネットワークスペシャリスト試験の価値と難易度
- ネットワークスペシャリスト試験を活かせる仕事と価値
ITエンジニアとして需要が高まっているネットワークエンジニアは、年収も高く転職を検討している人も多いのではないでしょうか。
ネットワークエンジニアとして働くうえで有利な資格はさまざまなものがありますが、なかでもIT系の国家資格として最難関といわれているのがネットワークスペシャリスト試験です。
今回の記事ではネットワークスペシャリスト試験とはどのようなものなのか、その難易度レベルや資格の価値などもまとめて解説していきます。
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ネットワークスペシャリスト試験とは?
ネットワークスペシャリスト試験とは独立行政法人情報処理推進機構が主催している国家資格のひとつで、その名の通りネットワークの構築や運用に関わる高度な技能を認定するものです。
特に大規模なネットワークの企画や要件定義、設計にいたるまで幅広い業務に精通し、下位者に対する指導も行う人材とされています。
情報処理推進機構が主催している試験といえばITパスポートや基本情報技術者試験などが有名ですが、ネットワークスペシャリストはそれらよりもさらに上位のカテゴリに位置している情報処理技術者試験のひとつです。
ネットワークスペシャリスト試験は過去に「テクニカルエンジニア(ネットワーク)試験」と呼ばれていたこともありますが、2009年に改定された試験制度によって現在のネットワークスペシャリスト試験という呼称に変更されました。
ネットワークスペシャリスト試験の概要と難易度
ネットワークスペシャリスト試験は毎年10月の第3日曜日に開催され、毎回2万人前後が受験しています。
合格率は15%前後と低く、ネットワークの分野における極めて高いレベルの知識が要求されます。
そのため、入念な試験対策が必須といえるでしょう。
IT系の資格試験といえばネットワークスペシャリストのような国家資格のほかにCCNAやCCNPなどのベンダー試験もありますが、国家資格は有効期限がありません。
また受験料も安価で、ネットワークスペシャリストの場合は5,700円で試験を受験することができます。
ただし、有効期限がないからといっても資格を取得して実務から離れている期間が長いと有効な資格と見なされないことも多いため注意が必要です。
ネットワークスペシャリスト試験の基本的な内容は以下の通りです。
午前1(50分) 四択問題×30問
午後2(40分) 四択問題×25問
午後1(90分) 記述式問題×3問
午後2(120分) 記述式問題2問
丸一日にわたって開催される試験のため集中力を維持しなければならず、さらにはベンダー試験とは異なり年1回という限られたチャンスのため、試験当日に向けては万全な体調管理も必要不可欠です。
また、ネットワークスペシャリスト試験の出題範囲は以下のとおり7つの項目に区分されます。
1.ネットワークシステムの要件定義
2.ネットワークシステムの設計
3.ネットワークシステムの構築とテスト
4.ネットワークシステムの運用・保守
5.ネットワークシステムの管理
6.ネットワークシステムの評価
7.個別業務システム開発のコンサルティング
ネットワークスペシャリスト試験の内容
ネットワークスペシャリスト試験において、それぞれの項目ごとにどのような知識が要求されるのか紹介します。
ネットワークシステムの要件定義
ネットワークシステムの要件定義では、業務システムやサービスの詳細を理解したうえで最適なネットワークシステムを設計したり、現在稼働しているネットワークシステムの分析を行ったりします。
そのうえで、どの業務システムを対象としてネットワークシステムを構築するのか絞り込み、具体的な作業範囲の選定や目的、工期などを設定します。
ネットワークシステムの設計
ネットワークシステムの要件定義をもとに、それを具体的に実現するための設計を行います。
どのベンダーのネットワーク機器を利用するのか、必要に応じて導入前のテストや評価を行ったうえで最適なネットワークシステムを設計します。
また、同時にネットワーク機器が万が一故障したり災害によって障害が起こったりした場合のバックアップ体制なども検討しておく必要があります。そのうえで、日常的なネットワークシステムの運用方法なども検討します。
ネットワークシステムの構築とテスト
ネットワークシステムの設計が完了したら実際にそれぞれの機器を接続してネットワークを構築していきます。
ネットワークシステムが正常に動作するかテストするのもこの段階ですが、何をもって合格とするのかも定義しなければなりません。
ネットワークシステムの構築作業においては作業者が分かるように作業内容を細かく文書で記す必要があり、同様に利用者向けにも運用方法を案内します。
また、ネットワークシステム構築後のテストにおいてもその手順や計画の仕様書を作成する必要があり、ネットワークスペシャリストはネットワークシステムの知識はもちろん、適切に明文化できる文章力も問われることになります。
ネットワークシステムの運用・保守
ネットワークシステムの構築が完了したら、利用者ごとのアカウントを個別に作成して実際に利用可能な状態にします。
ネットワークシステムの構築の段階では主に作業者に対する指示がメインでしたが、ここからは利用者向けの運用がメインとなります。
ネットワークシステムを適切に運用するための利用者に対する教育体制や情報の周知、または何らかのトラブルや問い合わせがあった際の窓口の役割も果たします。
さらにはネットワークシステムの保守体制やアップグレードへの対応、日常的なデータのバックアップなども含まれます。
ネットワークシステムの管理
ネットワークシステムの保守と関連する内容ですが、日常的にネットワークに異常がないかを監視するための計画を策定します。
ネットワークシステムに何らかのトラブルや異常が発生した場合、それを管理者や責任者に報告する体制を構築します。
このとき、監視データをどのように収集するのか、どのように異常を検知するのか、さまざまな知識が要求されます。
特に最近ではIoTなどのテクノロジーによってネットワークに接続するデバイスも多様化しています。
そのため、これまでのようにPCやスマートフォンといったデバイスに限らず、多様なデバイスやOSに関する知識も要求されることとなります。
また、ネットワークシステムの監視体制を効率化するためにAIによるビッグデータ解析などを要求されることもあるでしょう。
テクノロジーの発展とともに常に最新の技術トレンドも身につけておかなければなりません。
ネットワークシステムの評価
新たにネットワークシステムを構築するのではなく、現在あるネットワークシステムの評価をするのもネットワークスペシャリストの役割です。
問題が表面化していなくても、ネットワークシステムの評価をしてみると潜在的な問題が浮かび上がってくることも珍しくありません。
たとえば数年前までは大きな問題がなかったネットワークシステムでも、ネットワーク機器のバージョンアップや新たな脅威によって脆弱性が見つかることもあるでしょう。
そのため、ネットワークスペシャリストは常に業界の最新動向や新たな技術トレンドを見極め、ネットワークシステムの安全性を評価する力が求められます。
個別業務システム開発のコンサルティング
ネットワークシステムの構築や評価、分析にあたって専門的な知見のアドバイスを求められることもあります。
ネットワークスペシャリストは自らネットワークシステムの構築や設計に携わるだけではなく、さまざまな部署からアドバイスを求められればそれに応えることも重要な役割といえます。
ネットワークスペシャリスト試験を活かせる仕事
ネットワークスペシャリスト試験の合格者は、ネットワークエンジニアとして広く活躍できるチャンスがあります。
ネットワーク構築に関する高いスキルを持ち合わせたネットワークスペシャリストは、その資格を持っているだけで高いスキルがあると見なされるためネットワークエンジニアのなかでも設計や構築などの上流工程を任せられることが多いです。
ネットワークエンジニアはITエンジニア業界のなかでも高年収の職種として知られており、システムエンジニアやプログラマーなどからキャリアアップとして検討するケースも少なくありません。
しかしながら、システムエンジニアやプログラマーとは異なる技術が求められるため、常に業界の最新動向を注視しながら勉強し続ける必要もあります。
ネットワークスペシャリスト試験の価値
ネットワークスペシャリストはIT系国家試験のなかでも高度試験に分類され、その名の通りネットワークのプロフェッショナルとして認定されるものです。
そのため、ネットワークエンジニアの基本ともいえるCCNAなどの試験に比べると高い価値があるとされています。
特に実務経験がなかったり、浅いなかでネットワークスペシャリスト試験に合格した場合は転職の際に大きな武器になると考えられ、慢性的なネットワークエンジニア不足に悩む企業にとっては貴重な人材として見なされる可能性が高いです。
ただし、企業にとっては資格だけがあっても実務経験がないとエンジニアとしての真の実力も分からないため、最初のうちは重要なポストに配属される可能性は低いと考えておきましょう。
転職活動をより有利に進めるためには、ネットワークスペシャリスト試験以外にもCCNPなどのベンダー試験も合格しておくことがおすすめです。
ネットワークスペシャリスト試験に合格する為の勉強法
ネットワークスペシャリスト試験は実務経験がないと独学で合格することが難しいと言われることもありますが、合格者のなかには未経験から長い時間勉強を重ねて合格した事例も数多くあります。
基本的な勉強方法としてはネットワークに関する入門書や参考書を一通り勉強し基礎をつくり、過去問題を繰り返して出題の傾向や問題の解き方に慣れていくという方法が効率的です。
過去問題集は書籍でも販売されていますが、インターネット上にあるサイトでも情報は公開されています。
過去問題集は1周しただけで終わるのではなく、繰り返し何度も勉強することで問題の解き方にも慣れてくるはずです。
ちなみに、ネットワークスペシャリスト試験はITパスポートや基本情報技術者試験のような択一式問題だけではなく、記述式問題もあります。
単に暗記するような問題だけではなく、文章力を問われる問題もあるため苦手な人は重点的に対策をとっておく必要があるでしょう。
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