【いくら資産が必要?】30代からセミリタイア人生を送る方法

この記事を読むと分かる事
  • セミリタイアとは
  • セミリタイアに必要な金額と貯める方法
  • セミリタイアをするために行うべきこと

セミリタイアという言葉を頻繁に聞くようになった気がしませんか?

これまでの常識だと男性サラリーマンの場合、新卒から定年まで一社に勤め上げて60歳・65歳から老後として余生を過ごすというライフプランが常識でした。

また、女性であれば30歳前後までに結婚・出産をし、その後は専業主婦として暮らしたりパートなどで生活費を稼ぐというモデルが一般的でした。

しかし昨今、終身雇用の崩壊や、年金制度の将来の危うさからか、30代・40代・50代と定年による退職を待たずに仕事の一線から離れる「セミリタイア」という生き方が注目されています。

また注目されるだけでなく、20代から早くも実践に移したり成功する人が増加しています。

この記事では、早期の退職とも少し違う「セミリタイア」とはどんなものなのか?から始まり、それを目指すのに必要な資金はどの程度必要か?また、その方法や計画の立て方について具体的にご紹介していきます。

セミリタイアと定年退職の違いは?

セミリタイアと定年退職の違いは?

セミリタイアの「セミ(semi)」はセミファイナル(準決勝)、セミコンダクター(半導体)が意味するように、途中や半分といった意味で使われます。セミリタイアを定年退職と同じ完全なリタイアと混合してイメージされる向きがあるかも知れませんが、実態はかなり異なります。

セミリタイアは定年退職=フルリタイアとは違い、自ら仕事量をコントロールして自由な時間を増やす、というところに重きを置いています。

ですから「全く仕事をせず働かなくなってしまう」というわけではなく、会社員であれば週5日8時間労働といったいわゆるサラリーマン的な働き方を辞めて、ペースを緩めて生きていくということです。

例えば、1日8時間労働は変わらず、週3日のみ働く、午前中だけを仕事に当てるなど様々なケースがあります。また、時間の切り売りを比較的少なくして、「好きなことを仕事にする」ということも特徴として挙げられます。

セミリタイアと同じ意味合いのリタイアの仕方に、アーリーリタイアや早期リタイアという言い方もあります。

いくらお金が必要か? 必要な金額を貯める方法

いくらお金が必要か? 必要な金額を貯める方法

セミリタイアを実践するに当たって気になる情報は、金銭面についてでしょう。

30代から50代にかけて、サラリーマンとしては最も所得が増える時期ですから、これを放棄して本当に大丈夫なのか? という疑問が浮かぶのは当然のことです。

実際にどのくらいのお金が必要で、その金額を貯めるのに必要な方法を考えてみましょう。

30代の平均的な年支出

総務省の調べによると、35歳未満の月の平均支出額は15万5,808円です。「年齢階級別家計支出(単身世帯)-2017年-

支出額の15万5,808円は、もちろん家族構成や生活レベル、住む地域によっても変化しますが、最低でも月額15万円、年間200万円弱が最低限の生活を実現するために必要となることが分かります。

この「年間200万円」という金額は1つのキーワードとして覚えておくと良いでしょう。

貯金で言うとどれくらい必要か?

では仮に39歳でサラリーマンの仕事を辞めて、ちょうど40歳からセミリタイアをしたとします。

その後日本人のおおよその平均寿命である85歳まで生きるとすると、

200万円×45年=9,000万円

が必要という計算になります。

また、65歳から現状と同じ水準の年金(約15万)がもらえたと仮定するすると、

15万円×20年=3,600万円

が支給される計算となり、先ほどの9,000万円から引いてみると、

9,000万円−3,600万円=5,400万円

が自分で用意する金額として必要との計算になります。

しかしこの計算は、最低限必要な額であることに加えて、年金制度がこの先改悪される可能性が極めて高いため、実際には+α数千万円は必要となるでしょう。

仮に年金が半分の1,800万円になってしまった場合、自分で用意しなければならない金額は7,200万円まで膨れ上がります。

また、1人あたりの計算であるため、例えば夫婦子供1人などと条件が変わった場合、大きくその金額は変わってきますので、あくまで最低限の目安と考える必要があります。

貯金で言うとどれくらい必要か?

貯金だけで賄うのが現実でない理由

金融庁の調べによると、30代単身の貯金平均額は533万円、中央値は250万円、40代で平均値1,177万円、中央値500万円程。(金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する金融調査」)

セミリタイアを志そうとする30代方は平均以上の貯金を持っていることが想定されますが、上記の必要な貯金額と平均貯金額を見比べた場合、10倍以上の差があり、貯金のみでカバーすることはほとんんどの人にとって現実的でないことが分かります。

セミリタイアを決定する30代〜40代の時点で5,000万円以上の貯金を貯めることは並大抵のことではありません。

株式投資が必須となる理由

株式投資が必須となる理由

貯金だけでの対応が不可能となると、他の方法を考えざるを得ません。

サイドビジネスを持つ、不動産投資をして売却益を得る、はたまた宝くじで一獲千金、など手段は様々あるかと思いますが、今最も再現性が高く注目されているのは株式投資による資産運用です。

株式投資に関しては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により株価の急激な下落を招いたことやコロナ禍でお家時間が増えたことなどにより、証券会社での新規の口座開設が急増するなど個人投資家がわずかながら広がりを見せ始めています。

とはいえ、まだまだ世間一般的に普及しているとは言い難く、実際に株式投資の経験がある方はそれほど多くないかもしれません。しかし効率的に、再現性高くお金を増やしていく為には株式投資は欠かせないツールといえます。

以下、なぜ株式投資が必要なのか? その有用性、基本的な考え方を簡単にお伝えします。

現在と過去の銀行預金における年利の違い

現在日本の銀行預金における年利は0.001%程度です。これは、仮に100万円を銀行に預けておいても、年間10円しか増えないことを意味します。

現在30代の方はそれを当然のように受け入れているかもしれませんが、過去日本経済が絶好調でバブルと言われた時期には、銀行預金の年利が6%だった時代もあります。

これは、100万円が1年間で106万円になることを意味します。

株式投資における複利効果を実感すべき理由

現代において、過去日本で得られたような金利を得られるもの、それが株式投資です。

一般的に株式投資は、ギャンブル性の高いものと認識されているかもしれませんが、それは短期での売買を繰り返した場合のこと。

「長期・分散・積立」を心がけることで、年利3%〜の利益を得ることは十分に期待できます。とりわけ「長期」での投資で運用を継続することが重要な理由に複利効果があります。

複利効果は、単離効果と比較すると理解しやすくなりますので以下具体例を示します。

仮に100万円を積み立て、年利3%の運用ができたたとして、単利だと

1年 103万円

2年 106万円

3年 109万円

4年 112万円

5年 115万円

と単純に3万円ずつ増えていく計算になります。

これが複利だと、3%増えた金額に、更に3%が上乗せされる計算となります。

1年 103万円

2年 106万900円 (103万円に3%の金利)

3年 109万2,727円(106万900円に3%)

4年 112万5,508円(109万2.727円に3%)

5年 115万9,274円(112万5,508円に3%)

4年目・5年目までを見て、5,000円の違いだけ?と思われるかもしれません。しかしここで大事なのは、「時間が経過すればするほど増え幅が増す」ということ。

上と同じことを10年・20年・30年のスパンで見てみると、

10年 100万円 →  単利1,300,000円 ・ 複利1,343,916円  差額43,916円

20年 100万円 →  単利1,600,000円 ・ 複利1,806,111円  差額206,111円

30年 100万円 →       単利1,900,000円 ・  複利2,427,262円   差額527,262円

20年経つと20万円、30年経つと52万円以上の差が生まれます。

もちろん、期間が長くなればなるほど、投資金額が大きくなればなるほど、運用利回りが多くなればなるほど、この差は広がっていくことになります。

貯金を切り崩すという考えから、不労所得として長期で資産を増やすという視点が大切だということがわかるかと思います。

株式投資における複利効果を実感すべき理由

現金のフローを生み出すことができる

株式投資では長期で資産を増やすことが重要であることを述べましたが、更に重要なポイントとなるのが「配当金」です。

配当金とは、株に投資した際に企業の業績に応じて株主に還元されるお金、つまりボーナスのようなものです。国や銘柄にも寄りますが、年1度、四半期に1度、毎月支払われるものもあります。

ここで重要なのは、配当金は日々の生活に重要な「キャッシュフロー」を生み出せるということです。

一般的に高配当と呼ばれる銘柄は、3%〜の配当金を生み出しますので、投資額に応じた現金を得られることになります。

これを生活費に充てても良いですし、余裕があるなら続けて再投資し元本をさらに大きくするという手段を取れるようになります。

種銭を用意するために節約は必須

セミリタイアを実行するためには、投資が必須であることが見えてきたと思います。

ただし、当然ながら投資に回していく資金がなければ始まりません。少額からで良いのでまずはスタートを切ることが重要です。スタート切る上で投資に回すお金=種銭を確保する必要がありますが、これは日々の給与のなるべく多くの割合を投資に回すということに他なりません。

しかし給料は中々上昇していかない時勢で、手っ取り早く資金を確保するにはどうすれば良いか疑問を抱くでしょう。種銭を稼ぐのに最も重要なのは、節約をすることです。節約と言っても、日々の食費を削るなど、細々したことを継続すると疲弊してしまうことが目に見えています。

節約のコツは、「出費の多い物から順に削っていく」ということ。具体的には家賃・クルマ・保険が挙げられます。順に見ていきましょう。

家賃は手取りの25%までに抑える

日本で生活するにあたり、最もコストを要するのが家賃です。

都内を中心とした都市部に住むのと、地方に住むのとで大きく状況が異なりますが、大事なのは手取り給与の25%以内に抑えること。これをできるかできないかで大きく結果が変わってきます。

家賃10万円の部屋から7万円に変えるだけで3万円の節約になり、それを投資に回すことができれば効果は絶大です。1年で36万円も節約できることになりますから。

住む場所については個人の価値観が大きく反映されますが、アンテナを巡らせて少しでもコスパの高い場所を探しましょう。

種銭を用意するために節約は必須

貯蓄型保険は要注意

次に注意しなければならないのは保険、特に貯蓄型保険です。

日本人の80%以上が加入している保険ですが、実は落とし穴があります。まず認識しておいた方が無難なのは、日本は公的保険制度が非常に充実しているということ。ガンのような大病にかかったとしても、医療費の負担は限られており、掛け捨ての保険であっても十分に対応が可能です。

しかし、貯蓄型保険は解約後に返戻金をもらえるという理由で長年払い続ける方が多くいます。しかし、長期間保有しても返戻金の利回りは1%を割るものがほとんどというのが現状です。

その分を投資に回した方が資産が早く積み上がることは明確な事実です。10年以上の時間が経過した時、複利の力で大きく結果に差が出るからです。

クルマはランニングコストに注目

クルマも徐々に資産を食い潰す代表格と言ってもいいでしょう。

特に注目すべきは、車両そのものよりもランニングコストです。つまり、ガソリン代、各種保険、車検代、駐車場代、メンテナンス費などです。クルマを所有するだけで大金がかかるのに、維持費も年間25万円は軽くかかります。

最近は地方であってもカーシェアリングが目立つようになってきました。新しいサービスをうまく使うことで継続的にコストのかかる固定費を効果的に削ることができます。

副業も視野に入れて種銭を稼ぐ

節約と同時に、副業の経験を積むのもおすすめです。

副業は世の中でもかなり注目され始めており、既にスタートさせている人も多いのではないでしょうか。

サラリーマンでも自宅でリスクなく始められる、インターネット経由で可能な副業も飛躍的に増えています。

webプログラマー、デザイナー、動画編集、webライターなどがそれにあたります。

また、ブログやYoutubeなど自分でメディアを持ちつつ事業として収益化するケースも増えてきています。

副業で月5万円を稼ぐことができれば年間で60万円の利益になります。

上記の節約と合わせて100万円程の資金を手に入れることができれば、種銭を集めるスピードアップを図ることができます。

加えて本業で稼いだお金も回すことができればさらによいサイクルを作り出せるようになるでしょう。

1,000万と3,000万がターニングポイント

資産1,000万円と3,000万円がターニングポイント

なるべく節約し、副業を行い、本業と併せて種銭を稼ぐ。そしてそれを投資に回す。

この流れを確立したのち、ターニングポイントとなるのは資産1,000万円と3,000万円です。

それぞれの意味合いについて解説していきます。

資産1,000万円の壁を超える意味

「資産1,000万円の大台にに乗せた」という気持ちの部分は非常に大きいものです。

また、お金を貯めて増やすというスタイルが定着したことを意味する数字として分かりやすい指標となる金額ともいえます。

給料で稼ぐ→節約で出て行くお金を抑制する→投資に回す

このスタイルが確立しなければ、中々資産1,000万円を達成することは難しいでしょう。

逆にこれができた場合、更に節約や副業のスキルを高めながら、資産2,000万、3,000万を狙える位置に来ているとも言えます。

3,000万円の壁を超える意味

次の大きなターニングポイントは3,000万円です。

上記の「現金のフローを生み出すことができる」の項目で述べたとおり、配当金は3%〜のキャッシュフローを生み出すことができます。

つまり3000万円という資産を株式に投じていれば、投資から得られる配当金で年100万円の不労所得を生み出すことが現実的に見えてきます。年100万円は、冒頭で述べた1人で生活するために必要な資金200万円の半分に当たります。

生活して行くためにあと年間100万円を稼ぐ必要がある。逆に言えば100万円しか稼がなくても良い状態を作り出せているということです。

足りない分は?フリーランスという選択肢

足りない分はどうする? フリーランスという選択肢

3,000万円の資本を貯めて年100万円の配当金不労所得を得られたとすると、あと100万円が必要な状態です。100万円をブレイクしてみると、月8.3万円を何かしらの方法で稼げばOKという状況だということが分かります。

ここまで来ると、さほどお金を稼ぐことにあくせくする必要がなくなることがイメージできるのではないでしょうか?学生時代に学業と並行してにアルバイトをして、月10万円稼いでいた友人などを思い浮かべてみると分かりやすいかもしれません。

サラリーマンからフリーランスという選択肢

上記、「副業も視野に入れて種銭を稼ぐ」でも言及したとおり、現在インターネットを通して収入を得る方法を目指す人は飛躍的に増えています。これを副業として捉え、月5万円稼ぐようになるのはさほど難しいことではありません。

会社を辞め、自由に使える時間が増えれば尚更です。副業の時点で5万円稼げている人が会社を辞めれば10万円を稼ぐことは容易だと言えます。

会社を辞め、フリーランスで働くとい形は、ある種のセミリタイアとも言えます。なぜなら選ぶ仕事は興味のある分野、好きなものでOKなのに加え、時間的制約に縛られず自由にスケジュールを決められるからです。

実際に資産を貯めた後に社会との繋がりを保つために、フリーランスとして自由に場所や時間に囚われず働く人は増えています。

セミリタイアするために行動してみる

セミリタイアするために行動してみる

セミリタイアとはどんなものなのか、イメージが深まったかと思います。

以下にまとめていきます。

・セミリタイアとフルリタイア(定年退職)は異なる

・セミリタイアは時間の自由を得ながら、好きなことを仕事にすること

・セミリタイア生活は、貯金を切り崩しながらでは難しい

・投資でキャッシュフローを得ることは必須条件

・投資をするには節約が重要

・資産3,000万円がセミリタイアへのターニングポイント

・生活費の足りない部分を副業→フリーランスで働いて稼ぐ

長い道のりに感じるかもしれませんが、現代において最も再現性の高い方法が上記です。

こう言ったプランは、インターネットをベースにして気軽に投資や副業を始める環境のない15年前には考えることができませんでした。

長い不況や暗いニュースの多い昨今ですが、行動する人にはしっかりと道が開かれています。生かすも殺すも自分次第と肝に命じて、早速取りかかりましょう。