- 面接で好印象を与える着こなし
- 服装選びのマナーとルール
- 新卒時と転職の際との違い
転職・就職活動で良い印象を与える着こなしとは?
意を決して挑む採用面接。
話す内容は直前までよくよく準備していても、服装や小物にきちんと配慮しているでしょうか。
仕事と並行して行う転職活動では、余裕を持って準備したつもりでもバタバタと会場につくこともあり、おまけに職場に秘密の場合は着替えやメイク直しが必要だったり、意外とボロが出てしまうものです。
- ハイクラス向け面接では服装に配慮が必要?
- 男女別の小物づかいのポイントは?
- ジャケットボタンのマナーて結局どうしたらいいの?
難関企業へのキャリアアップを目指す方に向けて、面接前にじたばたしないための一般的な事柄から、他人と差がつく着こなしのポイントまでお伝えします。
マナーと服装は最初の関門
どんなにキャリアを積んでスキルアップしても、服装とお酒の飲み方は最初に勤めた会社の色が濃く出るというもの。
転職活動の面接は他社や他業界の方に自分を客観的に見てもらう場なので、服装や立ち振る舞いでよくない第一印象を持たせてしまうのはもったいないです。
ただでさえ仕事の合間に面接を調整したりとバタつく転職活動なので、身だしなみに過多に時間をかける必要は決してありません。
最低限のポイントを抑え効率的に挑みましょう。
スーツ選びのポイントはサイズとデザイン
まず男女共通の事柄として、言わずもがなきちんとしたスーツを選びましょう。
第一のポイントはサイジングです。
リクルートスーツできちんとしたものを購入した方は、転職活動でも無地で無難なジャケット等を使いまわされることがあると思います。
入社後は色柄をアレンジする業界も多く、また安い買い物ではないので、私は「リクルートスーツで転職活動」は構わない派です。
ただし、気を付けたいのはサイズが合っているかどうか。
特に男性の場合は、社会人になると少しふくよかになるケースが多いので、腕まわりや腹部のボタンまわりがぱつんぱつんになる方をよく見かけますよね。上着に窮屈さを感じる場合は、だらしない印象を与えてしまうので避けるべきです。
次にデザインですが、前述のとおり無難な無地がおすすめです。
ただし広告や外資系、アパレルなど服装のセンスを問う業界ではストライプなど少し遊び心のあるものの方がよい印象を得られる可能性があります。
ただし、実際には着替えていられない!という状況もあるかと思います。
そこで次の項では簡単に印象を左右できる、小物のポイントについて男女別に解説します。
【男性編】ネクタイ・ベルト・靴下に注意
男性の場合はネクタイ、ベルト、そして靴下を受ける会社ごとに配慮しましょう。
革靴を履き替えるのは荷物になり現実的ではないので、いつも履いているものがベストです。
まずは履きなれた靴と同系色のベルトを選ぶこと。
そして、靴下はすねが見えない丈を選ぶのはもちろんのこと、ドットやチェック柄で浮いてしまわないようスーツにあった黒や紺の無地がベストです。
面接を受ける側からは面接官の足元は机に隠れていますが、逆に面接官からすると相手の足元がよく見えます。思わぬところで面接官の注意をひいてしまわぬよう、悪目立ちしないものを選ぶのが基本です。
逆にネクタイは個性の見せどころ。
濃紺のスーツに赤系のネクタイで王道の「政治家スタイル」もよし、パステルカラーで柔和な印象を持たせるもよし、大切な人からもらった思い出の一本でゲン担ぎをするもよし。
キャラクターものなどの常識を逸脱したものでなければ、自分の魅せたいイメージに合ったものを選び、雰囲気づくりを意識しましょう。
【女性編】シャツとアクセサリーがポイント
背広とネクタイでビジネススタイルが決まる男性と比べ、バリエーションが無数なのがレディーススタイルのむずかしいところ。
外資系企業では、職場で10センチもあるピンヒールを履きこなすのが仕事が出来る印象を与える一方で、公務員やメーカーの内勤職では、夏場にTシャツにフレアスカートのようなスタイルがOKの職場も珍しくありません。
そこで、基本の無地スーツに肌色ストッキングと黒靴で常識的な印象を与えながら、シャツやブラウスといったインナーとアクセサリーで印象を操作しましょう。
襟のかたいカッターシャツでは大学生に見える無地スーツも、高見えするブラウスとあわせれば印象も華やかに変わります。
面接では、顔が明るく見える白やアイボリー系のトップスがおすすめですが、あまり派手な色遣いでなければ個性を表現してもよいところです。
また、アクセサリーは、ピアス・ネックレス・指輪の3点セットがあると「見た目に気を遣っている」印象を与えられてよいでしょう。
ハイクラス向けの難関企業であれば、ある程度収入を見込まれる女性がターゲットなので、安っぽい印象を与えないことが大切です。
上品さがあればデザイン性があっても構わないので、パールやプラチナベースのきちんと見えるものを身につけましょう。
公務員と外資系は同じでいい?
服装や身だしなみは業界や会社によって求められているものが異なります。
外資系企業やコンサル・広告業界では、相対的に 華やかさ=プロフェッショナリティの一部 と考えられる一方で、日系大手や公務員の採用試験ならば、華美になりすぎない服装の方が無難です。
とはいっても、基本的な常識や清潔感が求められているのは同じ。
基本を押さえた上で、男性ならネクタイ、女性ならインナーとアクセサリーで印象を調整すれば、たとえ異なる業界の面接が同じ日に重複したり面接後に会社に戻る必要があっても、少ない荷物で効果的に印象を変えることができます。
意外と知らないジャケットのボタンルール
続いて細かなところですが、主に男性向けにジャケットのボタンルールを解説します。
大人のビジネスマンならば常識ですが、面接当日に怠ってしまうと目がいってしまうところ。
特にあまり背広をカチッと着る機会の少ない、IT業界などの方はよく注意するようにしましょう。
【男性編】上着の一番下のボタンは開ける が鉄則
大人のビジネスマンなら、先輩社員などがさりげなくスーツの一番下のボタンを外すシーンを見たことがあるのではないでしょうか。
実は男性のスーツの一番下のボタンは元来装飾用についているもので、着席時はしめないのが正しいマナーなのです。
立ち上がっている時は全てしまっていても問題ないですが、座る時には背広が苦しくなりボタンまわりにしわが寄るため、見た目にも美しくありません。
好みや体格によっては着席時にはジャケットのボタンを全て外す人もいますが、まずは「一番下をはずす」を基本マナーとして抑えましょう。
座る時にさりげなく1つボタンを外す
マナーは理解できたとして、いざ実践です。
日常的に職場で背広を着ていて、一番下を外すルールが板についている方はそのまま面接に挑んでOKですが、あまり背広を着る機会のない業種で面接に行かれる方は、スーツ着用のうえで少し練習してみてください。
- 椅子に座ると同時に一番下のボタンを外す
- 椅子から立ち上がったらすぐにボタンをしめる
この作業を、面接官の設問がはじまる前と、設問が終わってから退室するまでの間に、自然に行えるように意識しましょう。
もし面接がはじまってから、ボタンをしめっぱなしなことに気づいたら、面接官が次の質問を考えている間などにうまくこなしてください。
最後まで背広の下が窮屈な形で面接を終えるよりは、途中でさりげなくあける方が最終印象がよくなります。
3つボタンでも2つボタンでも同じ?
さてここで疑問なのが、3つボタンスーツの場合はどうすべきかということです。
今時の20代~30代の方で3つボタンスーツをお持ちの方は少ないかと思いますが、もしも3つボタンの場合も同じように一番下のボタンを外すマナーは同じです。
ボタンの位置や体形によっては、もう一つあけた方がすっきり見えるかもしれないので、スーツを着た自分を鏡に映したり椅子に座った時に窮屈さがないかを確認したうえで、下から2番目のボタンもあけるかしめるか決めて実践してください。
【女性編】基本はリクルートスーツスタイル
女性の場合は2つボタンでも3つボタンでも、一番下のボタンを開け閉めする必要はありません。
背広の一番下のボタンが装飾品だった時代に、女性はドレスを着ていたので、ボタンを開け閉めするマナーは残っておらず、仕立てたままの状態で座ったり立ったりして構いません。
基本的なリクルートスーツのような、2つボタンジャケットにタイトスカートかパンツスーツの出で立ちならば、男性のボタンのように決まったマナーはありません。
他方、ノーカラーやツイードのジャケットは金具をしめないデザインが多いですが、ジャケットの前をしめずに椅子に座ることは決して悪いマナーではないので、気にせずに前を開けたまま着席してください。
立ち上がる時にもジャケットはあいたままでOK。
レディース服の小さな金具をさりげなく止めて、無理をするよりも、自然に堂々と退室しましょう。
中途採用と新卒で同じマナーで良い?
さて最後に総括として、新卒採用の時に覚えたような身だしなみやマナーのまま、中途採用の面接に挑んでいいのでしょうか。
業界や業種にもよりますが答えはNOです。
基本的な常識や清潔感が求められるのは同じですが、新卒の時の画一的な服装や髪型よりは、年齢とキャリアを重ねた分「こなれた感」や「自分のスタイル」がにじみ出る方がよいでしょう。
たとえば、同じ無地のスーツを着ているのでも値段が目に見えやすい靴や時計、ベルトなどは新卒採用を受ける22歳と同じようなものをアラサー世代が身に着けていては、あまりに安っぽい印象を与えてしまい、社会人としての適性がないように思われては困ります。
受け答えはしっかりしていても、服装で減点をされては大変もったいないです。「年相応」をキーワードに着こなしをまとめましょう。
完璧な身だしなみで自信を持って面接へ!
新卒の就職活動と転職活動を両方経験した立場からすると、自宅から面接に出掛けそのスーツのまま授業を受けたりしていた新卒採用と比べ、前提として周囲に秘密で行う転職活動では、時間休をとって職場から抜け出したり慌ただしく日程が過ぎます。
土壇場で仕事が押し寄せて遅刻しそうになったり、慌ただしくタクシーの中で身支度をしたこともあります。
ぜひ前日までに面接の中身に加え、スーツだけではなく小物まで身だしなみの確認を徹底しましょう。
備えあれば憂いなし。
さらに身だしなみが完璧であれば、自然と自信が出て受け答えにもいい影響がでるでしょう。
マナーと身だしなみを整えたら、次は具体的な面接対策へ。
こちらの記事では、コンサルでのケース面接や集団面接など、それぞれでの場面で準備しておくべき対策をまとめています。適宜、参照してみてください。