【取材】ヒューマン・コネクト大西代表が語る人事領域特化の人材調達とは

この記事を読むと分かる事

  • ヒューマン・コネクトの成立ち/事業内容
  • タレントマネジメント/人事コンサルの仕事内容
  • 人事領域のフリーコンサル案件の月額報酬

こんにちは。フリーコンサル.COMの本多です。

今回は人事領域/タレントマネジメント案件に特化したフリーコンサル向けサービスを提供する株式会社ヒューマン・コネクトに伺いました。

タレントマネジメントとは、事業戦略を遂行するために必要な人的リソースを確保するための組織基盤/評価制度の構築、人材育成とその最適な配置を実現することを目的とした企業活動です。コンサルティングファームではこのタレントマネジメント領域に関して、PO(People Organization)、人事・組織改革などと呼ぶ場合もあります。

ヒューマンコネクト株式会社

 

ヒューマン・コネクト代表の大西俊彦様にフリーコンサル向けサービス「案件サーチ」、人事領域/タレマネ領域の仕事内容、フリーランスコンサルタントの具体的な月額報酬などを取材しました。

大手コンサルからスピンアウトした人事領域の専門家

大手コンサルからスピンアウトした人事領域の専門家

―― まずはインタビュイーである大西俊彦様のプロフィールを教えてください。

私の経歴としては、まず新卒でSIerに入社しました。その後、人事領域のシステム/業務改革を得意とする、ブティックコンサル、大手コンサル、外資系コンサルなどを渡り歩き、2014年に起業しました。

元々、私は独立することを前提にキャリアを構築していたため、フリーランスへの思いは強く、フリーコンサル業界の構造的な課題を解決したいという思いが会社の色に出ていると思います。

 

――株式会社ヒューマン・コネクトについて教えてください。

ヒューマン・コネクト

人事領域(人事・組織・タレマネ・給与厚生・勤怠等)に関するプロジェクトエージェント/コンサルティングに関しては、どこにも負けない会社を作りたいという思いで設立した会社です。

私を含む全従業員がコンサルティングファームで、人事領域のコンサルティングを経験しており、人事の各領域に強みを持っている会社であり、全従業員がプロジェクトに参画している現役のコンサルタントでもあります。

弊社の「案件サーチ」というフリーランスコンサルタント向けの人材サービスについても、業界で唯一の人事/タレマネ案件に特化したサービスとなっております。

フリーコンサル業界の課題とビジョン

フリーコンサル業界の課題とビジョン

―― フリーコンサル業界の構造的な課題とは何でしょうか。

中抜きが多い業界のため、フリーランスのコンサルタントには100万で発注されているが、事業会社には250万払っているといったことをよく耳にします。

他の業界と同様、フリーコンサルについても上記のようなピラミッド型で深い商流となることが多く、フリーランス、事業会社共に不幸になるような構造的な課題があると考えています。

ヒューマン・コネクトとしてはできる限り、非効率なコミュニケーションや不要な中抜きを減らすため、商流を深くしないようにしています。

具体的には、事業会社からの直請(プライム)案件と大手コンサルティングファーム案件しか受けておりません。(1次請と良質な二次請案件を選定しています)

商流の深いフリーコンサル業界の構造とヒューマンコネクトが受注する案件引用元:https://anken-search.jp/service

 

―― コンサル業界が他の業界に比べて単価が高いためか、商流は深くなることが多い印象です。私自身、面談の待ち合わせ場所に行くと、エージェントが3社いて自己紹介を始めるなんてこともありました。

最初に、窓口のエージェントとルノアールで面談して、次のエージェントにカフェドクリエで引き渡され、
また次のエージェントにタリーズで引き渡され、最後にクライアント面談して、1日がかりで結果コーヒでお腹一杯になったなんてエピソードも聞きます(笑)

商流が深くなれば、エンドへの請求額は高くなるし、交渉もクイックに出来なくなります。一概には言えませんが、商流が浅い案件の方が質が高い案件となる傾向があるため、この業界構造を変えていく一助となるよう事業を進めているところです。

 

――フリーコンサル業界、特に人事/タレントマネジメント領域で課題はありますか?

コンサルティングファームでは、業界(インダストリー)、業務(ソリューション)の2軸で考えることがあると思います。

特に人事/タレントマネジメント領域のコンサルティングを行う上では、業務的な知見が重要となるため、エージェントとしてもクライアントの課題、候補者のスキルを見極めるためには業務的な知見が必要になります。

一概に言えませんが、エージェントであっても業務経験がなければ、候補者を適切な案件にアサインするのは難しいのではないかと考えています。

業務領域の経験、知見が無ければ、クライアントが求めるニーズと、候補者の経験・スキルセットを適切にマッチングする事が出来ず、我々エージェントとしての本質的な役割・責任を果たせないと考えております。

人事・組織領域のコンサルが解決する課題とソリューション

人事・組織領域のコンサルが解決する課題とソリューション

―― 企業が持つタレントマネジメントに関する課題を教えてください。

グローバル企業を始め企業では、慢性的な人材不足に陥り、企業内の人材(タレント)把握が出来ていない状況となっております。適切な人員配置・人材把握・能力開発推進の為にもタレントの見える化が必要となっております。

 

――それらの課題に対してどういったソリューションがあるのでしょうか。

組織が持つ課題に合わせ、人的資源の可視化(組織・人の見える化)、人材育成のプランニング、評価の適正化、タレントプロファイル(人事台帳)をタレントマネジメントシステム導入に合わせて行う事が多いです。

これらの制度設計や業務支援は、ヘイグループ、マーサー、タワーズワトソンを始めとし、アクセンチュアやPwCなどの大手外資系ファームがリードしている分野となります。

 

――人事領域専門のフリーコンサルは市場にどの程度存在するのでしょうか?

人事領域と言っても幅広く、人数が多い採用・トレーニング専門を除外しますと弊社の案件サーチで取引のあるフリーコンサルは100名程度となります。
人事系のフリーコンサル(採用・トレーニング専門除く)は市場全体では300-500人程度いると推測しています。

案件サーチの案件事例・単価(月額報酬)

案件サーチの案件事例・単価(月額報酬)

――案件サーチから紹介している案件は、人事領域/タレントマネジメント領域のものが多いのでしょうか。

人事/タレマネ案件以外は基本的に持たないようにしており、参画している案件の割合としては90%を超えています。

人事・タレマネ領域はニッチな市場なため、単純に売上を立てるのであれば、人事領域以外にも様々な案件を請け負った方が良いかもしれませんが、ロジティクスや会計などは我々の専門領域ではないため、適切なクライアントニーズが把握できず・適切な候補者選定とならず、案件の質という面においても低くなると考えております。

そのため、領域を絞り、候補者のスキルセットを見極め、フリーランスの方がアンマッチな案件にアサインされる可能性を減らしたいと考え、案件の質を高める努力をしているところです。

 

―― 案件サーチの案件事例や特徴を教えてください。

案件事例としては、人事に関わる制度設計から人事システムの運用支援まで行なっていますが、受けていない仕事もあります。

受ける仕事断る仕事
制度づくり:人事制度、評価制度作成
業務改革:人の育成プロセスの作成、RFP作成
人事システム開発支援:パッケージの導入支援
システム運用保守
人事の制度設計(規定・評価)
業務改革/人材の育成
人の見える化(スコアリング)
人事業務の煩雑化
システム構築・運用保守(RFP、パッケージ導入)
研修
採用支援
人事研修

案件サーチの特徴としては、フリーランスの方に働きやすい環境を提供することをモットーとしております。

コンサルタントは稼働過多になりがちなため、案件の質を高めることや精算条件をつけることで稼働時間が増えすぎないようにコントロールしています。案件の質を高めることが重要だと考えています。

また、柔軟に働き方を変えることもできる17時までに帰らなければならないなどの事情があれば、80%の稼働にして帰りやすい状況を作るなど、それぞれの事情に応じてクライアントとの交渉をしています。

 

―― 案件サーチの年収や案件を教えてください。

担当業務月額報酬(100%換算)役割事例
制度設計200万円-人事制度を中心にタレントマネジメントシステム策定
RFP/RFI策定150-200万円人事システム開発などに伴う要件整理・パッケージ選定
システム構築
(ベンダ側)
120-200万円人事システム開発におけるベンダ側PMO
システム構築
(クライアント側)
120-200万円人事システム開発におけるクライアント側PMO

制度設計の単価は高いですが、100%アサインされることはほとんどなく、30%稼働などが多いです。上記の月額報酬はシニアコンサルタントからシニアマネージャーぐらいのポジションでアサインされた場合の報酬イメージとなります。

ヒューマン・コネクトのフリーコンサル案件タイプ/金額等
引用元:https://anken-search.jp/

 

――案件サーチに登録してほしい人を教えてください。コンサルファーム出身者以外でアサインされている方や年齢の上限などについても教えていただきたいです。

Bigファームや人事コンサルファーム出身者、人事システムのパッケージベンダー出身者の方にはすぐにでも参画いただきたい案件がございます。

その他、最近の例ですと、事業会社の情報システム部門出身の20代の方が、人事システム導入の担当としてフリーランスで入っています。育成も兼ねてのアサインなので、最初は単価を落とすることでクライアントアサインを可能にし、経験を積み適性があれば、ファーム出身者と同じ報酬を出すことでクライアント調整をしております。

こういったSIerからコンサルタントへのジョブチェンジは若いうちの方がしやすいため、弊社サービスに登録していただいた若手の方には、「SIerにはいつでも戻れるけど、フリーコンサルにチャレンジできる時間は限られている」ことを伝えるようにしています。

基本的には人事領域の経験豊富なコンサルタントの方にプロジェクト参画いただくことが多いのですが、このようなSIer出身の方にも条件次第で案件に入っていただくことは可能です。

また、年齢の上限という意味では、60代で稼働している方も複数名おります。具体的には、システム導入のクライアントサイドおよびベンダサイドのコンサルタントとして、プロジェクトにアサインされています。

 

――ユーザが登録するモチベーションとなるようなキャンペーンがあれば教えてください。

お祝い金・お礼金のキャンペーンをやっています。
お祝い金キャンペーンは、登録した本人が案件に参画し、条件を達成した場合、月額報酬の10%を還元をするものです。
お礼金キャンペーンは、紹介いただいた方が案件に参画し、条件を達成した場合、10万円をお支払いしています。

お礼金キャンペーン

引用元:https://anken-search.jp/thanks/

正直なところ、サービスを登録する強い理由にはならないと思います笑

ただ、人事/タレマネ領域で経験のある方には、他のエージェントでは出せない質の高い案件をご紹介できると思います。この機会に案件サーチにご登録いただき、ぜひ一度弊社にお越しください。

株式会社ヒューマン・コネクト
代表取締役社長: 大西 俊彦
本社所在地:〒102-0073 東京都千代田区九段北1-9-2 エクセレントビル九段3F
設立年月: 2014年5月