今回はフリーランスコンサルタント・ITエンジニア向けのエージェントサービス「ハイパフォ(High Performer )」や「テクスト(Tech Stock)」等を運用するINTLOOP(イントループ)株式会社様に伺い、取材をさせて頂きました。
今後のフリーランス市場の動向や、収入事例、そしてフリーランスになるか迷っている方向けのメッセージなど、業界のトップランナーの方からお話を伺いました。お相手は、廣瀬さんです。
代表取締役社長:林 博文
本社所在地: 〒107-0052 東京都港区赤坂2-12-31 TAKATAビル 2F・5F(受付2F)
設立年月:2005年2月
INTLOOPと廣瀬氏の出会い
――はじめに、INTLOOP創業の経緯をお教えください。
代表の林は旧アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)出身で、自身のコンサルタント時代から個人事業主、今でいうフリーランスとして活躍するメンバーの方々と数多くのプロジェクトで協働してきました。
その頃から、今後は個人がひとつの会社に縛られずより自由に活躍するフリーランス化の波がくると感じたのが創業のきっかけです。
今でこそ、クラウドワークスやランサーズといったフリーランスと発注者を繋げるプラットフォームがありますが、当時からフリーランス市場に先見性を持って取り組んできたのがINTLOOPです。
――廣瀬さんご自身の入社のきっかけは何だったのでしょうか。
私自身、実はジョブホッパーで営業スキルを軸にキャリアを構築してきました。
新卒から印刷会社のルート営業、リクルート系列の飛び込みメディア営業、そして人材エージェントの新規開拓部隊と渡り歩いていた時、お客様として出会ったINTLOOPに声を掛けられました。面接もなく突然、打ち合わせ中に内定通知書を渡されまして。(笑)
当時の仕事にやり甲斐を感じていた事もあり、はじめはオファーをお断りしました。しかし、会社を移り別企業のメディア営業として働きはじめてからも声を掛けて頂き、最後は「コンサルタントやIT人材の集客をミッションとしたマーケターは、日本のIT人材の地位向上といった社会課題の解決にも繋がる意義の高いポジションだ」という言葉に背中を押され、イントループに入社を決めました。
INTLOOPの事業について
――フリーランス人材に関する事業にはどのようなものがありますか。
代表の林が持つ問題意識である「個々人がひとつの会社に縛られず、より自由に活躍する社会の実現」を目指し、フリーランスのコンサルタントと企業を繋げる「ハイパフォコンサル(High Performer)」というサービスを提供しています。
――「ハイパフォコンサル」の詳細を教えてください。
ご登録者様(フリーランス)に対して人材エージェント(INTLOOP)のような形で、キャリアカウンセラーによる面談を通じクライアント企業をご紹介させて頂きます。
カウンセラーが現在のスキルセットや今後のキャリアプランをヒアリングさせていただくことで、現在地の把握とチャレンジできるゴールを設定・応募先を選定し、実際の選考フェーズにおいても面談前のアドバイスや面談後のフィードバックなど、手厚いフォローによって精度の高いマッチングを実現しています。
私たちのサービスとしては、「紹介して終わり」ではなく、フリーランスの方がプロジェクトに参画した後もランチ会などで定期的なフォローアップを行わせていただき、コンサルタントやエンジニアの方に対して手厚い支援体制を整えているのが弊社の特徴です。
フリーランスコンサルタント・エンジニアの市場とビジョン
――現在とこれからのフリーランスの市場をどう見ていますか。
社会全体の流れとして「生産性向上」がバズワードと化している中、代表の林も2018年9月に「働き方改革カンファレンス2018」というイベントの「組織の生産性向上で会社を変える」というパネルディスカッションに登壇しました。
生産性は今後も重要視されていく中、現在のコンサルティング業界は、本当に費用対効果に見合った効率的なサービスを提供しているのか、クライアントから見て不明瞭な側面があります。
この点、大規模なファームよりも自由なチーム編成や1名単位の調整など小回りの利くフリーランスの方が、クライアント企業にとってメリットの多いサービスになると考えています。
――クライアント向けにはINTLOOPが効率的なコンサルティングサービスを提供するということですが、逆にフリーランス向けの取り組みはありますか。
第一にエンジニアリングやコンサルティングの技術に明るいカウンセラーが、プログラミング言語やフレームワークまで踏み込んだ面談とキャリア支援を提供しています。
たとえば、現在はJavaのみを使うというエンジニアの方がいたとしたら、「今後どんな技術を磨いていきたいか」「どんなスキルセットを身につけると就業機会が増えるか」といった個別の質問やアドバイスをしています。
第二に福利厚生です。プログラミング研修やフィジーにおける留学事業を行う企業との提携により、弊社のサービスをご利用の皆様には、これらの学習機会を特別料金で提供しています。
現在対象となるスキルはプログラミング言語と英語ですが、今後はこの内容をより専門性や将来性の高い技術に拡大し、継続的なスキルアップサポートを行ってまいります。
その他にも家事代行サービスの提供をはじめました。
High Performer (ハイパフォコンサル)が高額年収・評判
――「ハイパフォコンサル」における特徴や強みを教えてください。
「ハイパフォーマー」というサービスの名前どおり、高単価案件とフリーランスの方のマッチングを実現しています。コンサルタントの場合で平均報酬150万円程度と、競合他社と比べても相場が非常に高いことが特徴です。
High-Performer Consultantの報酬例を見る
High-Performer IT Engineerの報酬例を見る
これは、上流工程を担う案件と能力のあるフリーランスの方に照準を絞り、コンサルタントの方々に報酬面で貢献出来るように弊社の手数料も営業利益ギリギリの金額に抑えています。
――報酬面以外での工夫もあるのでしょうか。
潜在層である企業に所属しているコンサルタントやITエンジニアに対しても、フリーランスになる懸念点を取り払う環境づくりを進めています。
Tech Stock(テクスト):フリーランスエンジニア向け新サービス
――フリーランスITエンジニア向けのサービスについても説明いただけますか。
「ハイパフォエンジニア(High Performer IT Engineer)」をリニューアルする形で、エンジニアに特化した新ブランド「テクスト」をローンチしたところです。
弊社サービスのフリーエンジニアの平均報酬は80万円程度となっており、相場より高い報酬となっています。
――新サービスリリースの経緯について、お教えください。
システム構築のプロジェクトはゼネコンと同様に、上流工程から順に、システムの企画、システム案の設計、各種の要件定義、設計書の作成、開発、そして保守・運用と業務が細分化していきます。
これまで弊社では、いわゆるアーキテクチャーや要件定義などの上流工程のみに特化していましたが、クライアント様からは開発や保守・運用までを一貫して担ってほしいという要望もありました。
検討の結果、弊社から二次受けを外注するよりも「ハイパフォエンジニア」の上流工程に強いという特徴を活かしながら、より多様なIT人材を巻き込んでいくことを目指すことになりました。開発レイヤーまで取り込んでいくチャレンジをきっかけにテクストという新たなブランド立ち上げに至りました。
フリーランスの皆様にとっても、上流から下流まで一貫して受注したプロジェクトに加わることで、ポテンシャル次第でより上流工程の経験を積むチャンスに巡り合いやすくなるという利点があると考えています。
ITエンジニアの方も、素養次第でフリーランスエンジニアからコンサルタントへの道が開けるということです。
IT人材の地位を向上したいという想い
――「テクスト」のコンセプトにある、「エンジニアの地位向上」とはどういうことでしょうか?
日本ではエンジニアに対する正当な評価制度を持つ企業が少ないのが現状です。システム開発の多重下請けにより正当な報酬を受け取れず、エンジニアの収入がシリコンバレーの3分の1とも言われています。
またIT人材の数自体は不足していませんが、ウォーターフォール型というトップダウンの実装のために、エンジニアは与えられた仕事をこなすだけで、クリエイティビティを発揮する場所が少ないという課題があります。
「テクスト」は上流工程の受注に強く、原則二次受けより商流の深い案件は受けません。それにより、エンジニアがクライアントに近い立場で価値提供する環境を整えることで、より個々人が強みを発揮し適正な評価を受けられる環境づくりを目指しています。
日本発のユニコーン企業は、もれなくIT領域においてサブスクリプションでバリュエーションをつける業態です。私どもはIT領域のビジネスを活性化するのは、IT人材の力によるもの確信しています。
さらにエンジニアがフリーランス化することでユーザー向けサービスに触れる時間が増えたり、クライアントと直にやり取りすることで報酬も上がったり、設計通りの開発だけでなく自由な発想やクリエイティビティを持てたりするようになります。
「テクスト」は、フリーランスITエンジニアの支援を通じ、日本発のユニコーン企業を創造するため日本のIT人材の地位向上に最も貢献するサービスを目指しています。
――「テクスト」の強みを具体的に教えてください。
第一に、スキルのマッチング度やチャレンジ精神などポテンシャルの高いフリーランスITエンジニアの方には、より単価の高い上流案件や、コンサルティング案件をご紹介させて頂く可能性があります。「ハイパフォコンサル」との連携により実現する弊社ならではの強みです。
第二に、プログラミング言語やクライアントの業種、細かな開発工程など、エンジニアならでは検索軸で最も相性のよい案件をご紹介させて頂きます。これはウェブサイトのUIにも近日中に反映される予定で、より感覚的に使い勝手のいいサービスに進化します。
先程申し上げましたプログラミング言語の研修や、英語習得、家事代行のサポートなど福利厚生も充実しています。
また、今後はフリーランスの皆様の金銭面の不安を解消すべく、保険サービスの提供を予定しております。まだ、企画内容など詳しい部分は調整中ですが、正社員と変わらない、もしくはそれ以上の保障を受けられるサービスを考えています。
最後に、札幌・大阪・福岡・沖縄に拠点展開し、地方案件も増えてきています。これらに3ヶ月以上アサインされ、そのために転居される方には、コンサルタント・ITエンジニア共に引っ越し費用の10%を支援します。
人材の流動化の波の中で、地方の優秀な人材の活用や首都圏の人材のUターンやIターンも支援したい狙いです。
――これほど福利厚生が充実しているフリーランス支援のサービスは初めて伺いました。
ありがとうございます。特に英語習得については、弊社がフィジー留学事業を行うサウスパシフィックフリーバード社に出資しているからこそ実現しました。
大洋州のフィジーは日本との時差もなく、留学費用が3ヶ月で20万円~と他の英語圏の国と比べ格安です。年中気候も良く海に囲まれ、プロジェクトの合間にスキルアップと休養を兼ねて滞在することもおすすめです。
留学支援をはじめ、プログラミング研修や家事代行サービスといった福利厚生はおおむね10%ほどの割引を実現しております。
フリーランスコンサルタント・エンジニアの月収
――ハイパフォーマー向け案件における収入事例を教えてください。
あくまで平均ですが、コンサルタント案件だと平均報酬が150万円、エンジニア案件だと平均報酬が80万円なので、この「金額×稼働月数」が年収になります。
コンサルタントの場合は150万円×12ヶ月で、年収にすると1,800万円となり、ファームご勤務の頃と比べ2倍ほどに増加する事例もあります。
コンサルタント・エンジニアの方へ伝えたいこと
――どんな方にINTLOOPのサービスを利用してほしいか、ペルソナをお願いします。
現在企業に所属し正社員として活躍する方々の中で組織内のヒエラルキーや後輩の育成といったことよりも、本来的なコンサルティング・エンジニアリング業務に関心がある人は、ぜひ一度フリーランスになることを検討してみてください。
金銭的なメリットだけでなく、フリーランスとして経営者視点を持つことが、コンサルタントやエンジニアの皆様にとって大きな成長機会になるはずです。
既にフリーランスとして活躍されている方も、弊社では上流案件を豊富に抱えるという強みがあるため、同じ業務であっても案件あたり10~20万円ほどの収入アップの可能性は存分にあり得ます。ぜひご相談にいらしてください。
コンサルタント・エンジニア共に新しい技術に関心があったり、上昇志向が強い方も歓迎します。ゼロからイチの価値を創る新規事業立案の案件も多く、既存の業務改善コンサルティングだけでなく、新しい価値を創るチャンスにも溢れています。
――中長期的なINTLOOPの成長戦略について教えてください。
フリーランス市場は、㈱みらいワークス様の上場にあるように業界としても好調に伸長しています。弊社も有難いことにサブスクリプション型のビジネスとして時価総額を高めることができており、新規事業への投資を積極的に進めています。
代表的な例は、人材ソリューション事業の集客を自社で行うことで培ってきた広告やオウンドメディアの運用ノウハウを提供するデジタルトランスフォーメーション事業です。
また、昨今クライアント様からの要望により広がってきたサービスであるスポットでのコンサルティングサービスの提供も開始します。
クライアント様の新規事業立案の需要に対し、コンサルタントの紹介にとどまらず弊社からビジネスアイデアを提供したり、業界やテクノロジーに関するホワイトペーパーの発行をしたりします。
クライアントの生産性向上に最も向き合う企業であるという自負があり、そのために幅広い事業を展開していきます。
――最後に、記事をご覧になっている方にINTLOOPのセールスポイントをお願いします。
キャリアカウンセラーによる成果の高いサービスはもちろんのこと、福利厚生面でのサポートは現行のプログラミング研修、フィジー留学、家事代行の他にも多様かつ高度に展開していきます。
フリーランスとしてご活躍されている方も企業に所属されている方も、ぜひ一度ご相談にいらしてください。