【コンサル転職の裏側】多くは人間関係と昇進がらみ

ビジネスコンサルの転職を語るとき、ほとんどの情報が前向きなものばかりになりがちです。

しかし、コンサルファームはもともと終身雇用が前提になっていない組織の中である程度の淘汰はやむなしという発想から新卒を採用しています。

そのため、ファームからの転職者の実態は若くてもある程度シニアになっても問題をかかえて転職せざるを得なくなるケースがほとんどです。

中で働いていますとキャリアパスの話は実はあとから就いてくることがほとんどであることを強く感じさせられます。

ビジネスコンサルが転職を余儀なくされる理由はレアケースを除きますと概ね2つに収斂されるのではないかと思います。

社内の人間関係はコンサルが抱える最大の問題

ビジネスコンサルというのは様々な仕事にアサインされて、仕事を通じて成長がはかられて次にステージ向かっていくのが基本となっています。

プロジェクトごとに自由にアサインされてチームが編成されると思われがちですが、パートナーからシニアマネージャー、マネージャー、コンサル以下まである程度小集団化して主要な面子がきまりやすい組織となっているのが実体であるのが実情です。

実態は狭い人間関係により進んでいくことから、参加した小集団でうまく立ち振る舞えないと結局人間関係で悩んで辞めていくことが多くなるようです。

また自律神経失調症になってしまったり、体と心が蝕まれることもほかの業界以上にあるのが事実で、相当図太い神経の持ち主でないと生き抜いていかれないというリスクがあることは事実といえます。

それだけにコンサルという仕事よりも耐え難い小集団に嫌気して転職していく輩も多く、結果としていいキャリアパスにめぐりあったとしてもそのきっかけは結構暗いところから始まっていることが多いことを感じます。

また大手の商社やメーカーのように大部屋に多くの人がいて養鶏場のような労働環境に座って働いてきたものにとっては、外資のコンサルのようにホテリング方式として会社に座る場所も確保されておらず、常にクライアント先に出向くような労働体系自体が耐え切れないケースも多いようです。

若くしてコンサルに転職してきた人間は意外となじめずに早く出て行くことが多いようにも感じます。

このあたりの生々しい話しというのは転職のエージェントもあまり語りませんから実態は闇の中ということが多くなります。

人によって馴染める馴染めないという部分があることは厳然たる事実で、日系の事業会社に移ったら精神的に追い詰められなくなったという話しもよく聞きます。

こうして考えますと頭がいいとか整理能力が高いとか、システム言語による開発能力が高いといった話しとは別に、コンサルという仕事のやり方にマッチしているかいないかということもかなり真剣に考える必要があることを感じる次第です。

そうした部分に早い段階で違和感を感じる若手のコンサルは自ら方向を変えて成功するケースもあります。

固定的に考えずに自分がコンサルに向いているのか向いていないのかを冷静に見極める必要があるのではないでしょうか?

 

ビジネスコンサル転職のもうひとつの大きな要因~昇進がらみの問題

国内系のシンクタンクであれば事情はかなり異なるものと思われますが、外資系のコンサルティングファームの場合、プロモーション(昇進)は最初こそ横並びになりますがその後は実力次第で差が開いていくことになります。

なかなかマネージャーに昇格できないとかシニアマネージャーにはなれないといった状況が続けば自ずと組織には残れないという自覚をほとんどの人間が持っていますので次なる仕事を探すことを余儀なくされるようになるわけです。

これは実はパートナーレベルにのぼりつめた人間でも同じで、今度は売り上げ(利益)を上げられなければ肩を叩かれて出て行かざるを得ない状況になります。

外側からコンサルを見ている人にとっては凄まじい話で耐えられないと思うかも知れませんが、長年この世界、とりわけ外資のコンサルの世界で働いていますと常に組織からの離脱=転職を意識することになります。

外の人が感じるほど酷い話には思えない当たり前の世界になってしまっていることもまた事実です。

したがって多くのコンサルタントは次の仕事を常に探しながら業務にまい進しているとも言われ、転職を意識するのはもはや日常茶飯事ともいえる状況です。

したがって純粋にキャリアパスを考えることもありうるでしょうし、逆に辞めて商売換えをせざるをえない状況で転職をするケースもあり、人によってその理由は異なるのが実情となります。

ほとんどの外資系コンサルはこういった気分をベースにして働いていますから、会社にしがみつかないという点では他の外資ともかなり異なるカルチャーであるといえます。

こうした雰囲気も馴染める馴染めないは相当でてくることになりますので、業務の特性そのものよりも業界のカルチャーに適合できるのかどうかをよく考えて入ってこないと早々に退場を覚悟することになりかねないことになります。

一概にこれがいいとか悪いとかは言えませんが、すべての人に向いた商売ではないことだけは間違いありません。

生き方を変えるなら事業会社に転職というアイデアもあります。

「私、コンサルに向いていないと思いませんか?」など正直に相談できるエージェントを探してみるのも良いかもしれません。

参考記事:コンサルやポストコンサルに強い転職エージェントランキング

赤の他人の方が、相談しやすいこともあると思うので。

皆様のキャリアが素晴らしいものになるよう祈っています。