最近のビジネスコンサルの転職を考えるにあたって、転職するご本人がある程度覚悟を決めなくてはならないのが、戦略的で生きていこうとするのかテクノロジーで生きていくのかという問題です。
戦略系は起業経営、マーケティング系へ繋がるケイパビリティ
ビジネスコンサルでもボスコンやマッキンゼーなどもともとテクノロジー系にさわってこなかったコンサルは自ずとこの道を模索することになります。
テクノロジーにも絡んできたビジネスコンサルの場合、戦略系に生きるかテクノロジーに生きるのかはある程度の時期にはっきりさせておく必要があります。
もちろんテクノロジーがわかる戦略系はどこでも歓迎されることは間違いありませんが、それにしてもこのことは自らの将来のキャリアパスを考えるにあたってやはり早い時期から意識して準備を怠らないようにすることが重要になりそうです。
戦略系で生きるとなると、意外に異なる業界でもニーズが出てくることになりますし、特定の業界のエキスパートというよりはスタートアップビジネスを成功させられる存在と自己演出をすることが必要になってきます。
将来的な転職先のポジションとして経営企画やマーケティングディレクター、CMOなどがあげられ、企業会計に特化してエキスパートになるのであればCFOという選択肢もみえてくることになります。
また新たな事業に責任をもつ事業部長といった職種を目指すことも可能になります。
どのポジションの就いていくかはまさに転職案件次第ですが、この領域に適応できる存在となるために日ごろから知見を積み上げていく努力が必要になります。
テクノロジー系は企業内のPMOやCIOを目指すキャリアパス
一方、ビジネスコンサルといえどもいまや非常にウエイトが大きくなってしまったのがテクノロジー系のケイパビリティです。
テクノロジーの知見を活かすのであれば事業会社のPMOやCIOを目指すというのも大きなキャリアパスになります。
この場合はやはり専門性とテクノロジーローンチ、メンテナンスなどに対する深い知見を求められることになりますので戦略系よりもかなり特化した専門職を目指すことになります。
ただ、国内の企業ではCIOといいますと情報システム部門の部門長のようなイメージしか浮かびません。
本来、米国系企業のCIOはIT投資やシステムの実装により企業の収益や売り上げ拡大に貢献するというきわめて経営戦略に近いところに位置する人間ですから、ITの領域で企業戦略に貢献できる人材でなくてはならないのもまた事実となります。
転職先企業の期待に見あうケイパビリティを提示することが重要
戦略系かテクノロジー系かと書いてしまいますとこの2つのオルタナティブな選択しかないような気分になります。
実際、コンサル経験者を雇用しようとする転職サイドはこうしたクライテリアでコンサル経験のある応募者を見ているケースが多いということだけは事実です。
職務経歴書にずらりとプロジェクト経験がならび、ほとんどPMOとして長い時間をすごしてきているとなると、ビジネスコンサルといえどもやはりテクノロジーの人と認識されてしまうことは事実です。
職務記述書の書き方から注意するというのもありますが事実がテクノロジー系である以上隠しようのない部分もでてきてしまいます。
したがって自分がどちらの系統なのかということはまずご自身でしっかり認識しておく必要があるでしょう。
これまでテクノロジー系の世界で生きてきたものの、これからは戦略系に近いところで次の職を得たいと思うのであれば、やはりそれなりの演出が必要になりますし、転職先からそう評価されるような実績づくりや仕事の仕方というものを早くから意識する必要がありそうです。
逆もまた真なりで戦略系で仕事を積み上げてきた人物がいきなりCIOを目指してしまうというのもロスの多い転職になってしまいます。
この2つの切り分けはちょっと自分の経歴を客観的に見てみればかなり明確に判ることなのですが、実際に転職を果たしたコンサルには想像以上に待ちがった職種選択をする人が多く、結果失敗に終わることも少なくありません。
このポイントはしっかり自己認識する必要があるものなのです。