【NGな長所・短所】人事の私が採用したくない就活生の特徴を4つの例文で解説

この記事を読むと分かる事
  • ダメな長所と短所の特徴と例文
  • 採用されるための長所短所の伝え方
  • 自己分析と自己PRのコツ

「長所・短所」を制する者は就活を制する!

どんな会社のエントリーシートや面接でも、高い確率で問われるのが「長所・短所」のエピソード。
あなた自身の人物像やポテンシャルを面接官に理解してもらう「長所・短所」は、自己分析に行き詰まったり、どのように伝えたらいいのかわからなくなってしまう人も多いのではないでしょうか。

  • ダメな長所・短所ってなに?
  • 人事からみて採用したくない就活生とは?
  • 具体的な例文は?

今回は、ネガティブな印象を与える長所・短所を反面教師として自己分析を深めるコツをご紹介します!面接官に響く自己PRやNG例・自己分析のコツも参考にしてください。

就活における「長所・短所」とは?

一口に「長所・短所」といっても、面接官は決して単純にあなたの性格や自己紹介を聞きたいわけではありません。対話に盛り込まれる内容や話し方から、思考や行動のくせを読み取り、あなたが会社に入ってから、周囲とどのように協調して、成果を出せるかを評価するのです。

自分の強みと弱みが分かっていれば、自分のアピールポイントを引き出し、克服ポイントへの対策ができます。学生時代にどのような経験を積み、何を考え、どのような力をつけてきたのか、そして、それを自己分析できる力をみせる準備が必要です。

一方で、志望動機や将来の希望についての質問は、事業に対する理解度やスキルが問われますが、説明会に参加したり、企業分析をする事で解決することができます。

長所と短所

書き方はキャッチ―である事と奥深さ

「長所・短所」を考える基本的なやり方は以下の二通りです。どちらが自分に合うのか試行錯誤して選びましょう。

①ボトムアップ型
自分がこれまで経験してきたことを振り返り、その共通点から特徴を言語化する。
たとえば、学生時代の成功体験から、自分のどんな要素や性格が結果につながったのかを分析し、長所の反面、短所が何であったのかを考えるオーソドックスな方法です。
②トップダウン型
自分の特徴を表現する言葉からそれを説明する要素を積み上げる

座右の銘など、自分にぴったりだと思う言葉が既に浮かんでいる人は、具体例を積み上げて説得力のあるストーリーを作りましょう。

強みと弱みは表裏一体

上記で紹介したいずれの方法も、まずは長所を形成してから短所を考えるのが基本です。そして同じ人物で自己矛盾をおこさないよう、長所と短所は表裏一体であることを意識しておく必要がです。
たとえば「好奇心旺盛」と長所を表願した人は、その反面、さまざまなことに関心がありすぎて、短所は「欲張り」というのが定番です。

就職活動はいわずもがな、自分をアピールする場なので、まずは自分の特徴をポジティブフレーミングした長所からイメージしましょう。そして同じ特徴を強いてネガティブに表現するのであれば、何が短所であるかを表現することで、自分を的確に理解できていることをアピールできます。

ダメな長所・短所の特徴と例文

自己PR

では実際にどんな長所・短所が評価されにくいのか実際の例から見ていきましょう。4つのポイントを紹介するので、自分で作ってみた文案と照らし合わせ、改善のヒントにしてみてください。

ケース①「抽象的すぎる」

まず代表的なダメな例は、ビッグワードばかりの説明で話に具体性がないパターンです。ふわふわとした言葉ばかりでは、あなた自身の人物像が見えにくく、また面接官が飽きてしまう可能性が高いです。たとえエピソードの一つ一つがよくても、自己分析として深みがなければ評価がつかず、もったいないです。
このパターンは自己分析の浅さが原因なので、自分の経験してきたことと、やりたいことについてもう少し掘り下げましょう。その上で、自分だけの言葉で説明できるようフレーズを推敲します。

例文:【長所】リーダーシップ:【短所】自己主張が強い

このケースのNG例として、「リーダーシップ」という長所を取り上げます。方向性として悪くはないですが、就活生が10人いたら必ず数名は答える超頻出の回答で、特に「サークルの副代表」や「海外におけるボランティア活動」というエピソードから結び付けるエピソードは面接官も聞き飽きています。

このパターンにおいては、単純にやってきたことと長所・短所を結びつけるだけではなく、その間のロジックを増やして他の就活生と差をつけましょう。たとえば「サークルをまとめあげた経験」を語るのであれば、ありがちな「後輩から慕われた」や「先輩の支援を募った」というプロセスだけではなく、あなたのどんなアイデアや行動が、具体的に周囲をどう動かしたのかを説明しましょう。

さらには、その思考のくせや振る舞いを、会社でどう活用できるのか、という事まで示唆できるとベストです。決して自分のやってきたことに嘘をつくのではなく、いかに、ある材料を掘り下げるというのがポイントです。

ケース②「具体的すぎる」

次はケース①とは対照的に、話が具体的すぎて自分のことを俯瞰できていないパターンです。ただ単に自分のスキルや性格を説明するだけでは、長所・短所の設問への受け答えとしては不十分であることを思い出してください。
そこで、切り口はそのままに、自分のスキルや性格を通じてどのように社会に貢献できるか、また弱みと今後どのように付き合っていきたいかを推敲しましょう。

例文:【長所】国際的 【短所】自由な発想に陥る

たとえば、帰国子女や留学経験をアピールする場合、長所が「国際性」では単調すぎます。 「国際的な人物像」がどう会社に役立つか、を証明しなくては面接官の心を動かせません。

まずは、あなたの考える「国際的」とはどういう事か、海外生活のどの場面で習得したもので、今後の人生でどのように活かせるのかまで、きちんと言葉に落とし込みましょう。単純に語学が出来なかった頃の苦労や習得した英語力を説明するのではまだ不十分です。
小さなことでも構わないので、英語をツールに周囲を巻き込んで何かを達成したり、日本人とのコミュニケーションとの違いをどのように解釈し、自分の強みとしているかを丁寧に言語化しましょう。

短所の「自由な発想に陥る」、も海外育ちの典型的な人物分析で、金太郎飴のような印象です。「物事をはっきりいってしまう」という日常的な具体例だけでなく、より思考のくせや行動の基準にまで深めて話すことが肝要です。

長所短所の例文

ケース③「上から目線」

ここまでのポイント抑えた方は、すでにかなり自己分析が深まっていると思います。今度は話し方におけるテクニカルな要素として「上から目線」にならないよう気を付けましょう。

自分をいかに優秀かアピールするのが就職活動ですが、面接官は自分より年上で社会人経験豊富な管理職です。話している内容がよくても、伝え方で相手の鼻についてしまっては、マイナスになってしまいます。自分を過度に大きく見せる必要はないのです。ここでは、等身大の自分をみてもらえるようなコツを紹介します。

例文:【長所】専門性 【短所】視野が狭い

皮肉な話ですが、会計系の会社を受けるにあたり、自分の強みを、その分野における専門性と表現するのはもろ刃の剣です。なぜなら、採用を受ける人も、社内の人も、みんな同様の強みを持つからです。面接でいくらテクニカルな話を持ち出しても、相手の方が何枚も上手な可能性が高く、また現状の知識に甘んじていると捉えられると向学心がない、と見做されてしまいます。

自分の専門性をアピールしたい時は、①客観的な資格や点数を示すこと②その習得において努力した方法に焦点をあてて話すこと、を意識しましょう。

①は言わずもがなですが、10代の若者ならまだしも大学卒業を控える青年が、客観的な証明もないのに「XXが得意です」というのは危険です。また、そのスキル習得においてどんな風に工夫を重ねたか、という点を加えると、入社後もどう困難を乗り越えてゆけるか、を面接官にイメージしてもらえます。

②についても、具体的に話せるよう事例を用意しておきましょう。
ここまで到達すれば、短所として「学生時代はXXの勉強に集中し他の活動に手が及ばなかったため、入社後は周辺知識であるXXの実務経験も深めてゆきたい」と、弱みですらポジティブに伝えることができます。

ケース④「流れに違和感がある」

最後に話し方における課題として、「長所・短所」と人物のイメージが合っていないケースがあります。人によっては根本的に就職活動の方向性を見直す必要があるので、少しでも違和感を覚えたら、近しい友人や先輩に意見を求めることも大切です。

自己分析の手法で①ボトムアップ型と②トップダウン型を紹介しましたが、いずれの場合もまれに言葉の選び方がしっくりこない就活生がいます。経験を語るエピソードはいいのに話がすっと入ってこない、あるいはエピソードから導かれる長所・短所が矛盾していると、面接官には、「悪くないのだけど決め手がない」印象を与えてしまいます。

エントリーシートに書いてある本人の指向性と、業界のカルチャーが合わない人もいます。この場合は、志望動機と長所・短所に矛盾がないかも要注意。OB訪問時にエントリーシートを持参し、違和感がないか見てもらうのも一手です。

例文:ベンチャー志望なのに【長所】協調性がある

サークルやゼミで「調整役だった」という人や、学生時代に頑張ったことは「学業成績」という人が、新進気鋭のベンチャー企業を志望していると、少し「おや?」と思わないでしょうか。もちろんやりたいことは本人の自由です。しかし、一般的には、協調性が活かせるのは伝統産業などの代表的な日本企業で、ベンチャー企業では、より積極性や行動力が評価されます。

そのため、いかにも慎重そうな人が、「刺激の多い業界で圧倒的に成長したい」というのは本心ではないのでは?、と思ってしまいますし、話し方がとても積極的ならば、「調整役」という自己分析が引っ掛かります。

就職活動の基本は、①やってきたこと、②やりたいこと、③その会社で実現できること、の一貫性です。わざわざ会社に出向いて面接官と対峙する面接は、ここにさらに、④人物、つまり、話し方や顔つきから分かる誠実さや人柄が加わります。

①やってきたことは過去の積み上げなので、変えることはできません。同じ調整役としての能力を活かすとしても、たとえば「状況を見渡す俯瞰力」や「最後まで目標を追いかける実行力」といえば、より能動的な印象です。

自己分析のコツ

自己分析

自己PRでうまく自分を伝えるには、まずは自分自身の分析が必要です。客観的に自分はどうみえるのかという視点が大事です。

一番手っ取り早いのは、周囲の友人や家族、バイト先や職場の同僚・先輩などにきいてみる事です。ストレートにあなたの事を伝えてくれるとは限りませんが、周りからどんな人にみえているか、を知る事により自己を分析するヒントになるでしょう。

なるべくたくさんの方に、自分がどんな人にみえているのか、どんな長所・短所があるのか意見を集めてみてください。自分でも気づいていない意外な一面が発見でき、就職先の企業選びにも作用してくるかもしれません。

これから就職・転職をする方へ

表現にバリエーションがなく、他の就活生と重複しがちな「長所・短所」ですが、決して奇を衒う必要はありません。自分がこれまでしてきたことは変えられないため、それをいかに伝えるかを深掘りして誠実に伝えることで、あなたらしい言葉になります。

今回紹介したNG例を反面教師に、「長所・短所」を面接官に伝えて内定を勝ち取りましょう!

最終面接に関する記事も是非参考にしてみてください。

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また、転職エージェントを活用して就職・転職活動を行うのも有効です。興味のある方は検討してみてください。